2012 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質機能改変技術による自己免疫疾患の分子病態解明と画期的治療法の開発
Project/Area Number |
24390022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
角田 慎一 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, プロジェクトリーダー (90357533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 春彦 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, サブプロジェクトリーダー (00324509)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 生体分子 / 薬学 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
近年の分子標的治療薬の台頭に伴い、腫瘍壊死因子(TNF-α)が種々自己免疫疾患における創薬ターゲットとして注目を集めている。しかしTNFが結合するレセプターにはTNFR1とTNFR2の二つのサブタイプが存在し、各レセプターが可溶型/膜結合型TNFと相互に作用しつつ、非常に複雑かつ巧妙にその生体内反応が正負に制御されており、それらの機能の違いは十分明らかにされていない。そこで本研究では、TNFシグナルの多様性に着目し、我々が独自に創製したTNFR1及びTNFR2指向性TNF変異体(アゴニスト・アンタゴニスト)を活用することで、これまで困難であった各レセプターと病態との連関解析を通じて、自己免疫疾患に対する画期的な分子標的治療薬の開発に資することを目的とする。 平成24年度は、in vivoでのTNFR2の機能解析を念頭に、マウスTNFR2(mTNFR2)指向性のTNF変異体(アゴニスト)の創出を試みた。マウスTNF-α(mTNF)中のレセプター結合領域に位置する6箇所のアミノ酸残基(Q31,R32,A33,A144,E145,S146)をランダムに置換した構造変異mTNFを網羅的に発現するファージライブラリを構築した。続いて作製したライブラリの中から結合力に基づくセレクションを行い、mTNFR1には結合せず、mTNFR2のみに親和性を有し、さらに、各レセプターを介した生物活性を指標にスクリーニングを行った。スクリーニングの結果、有望なmTNFR2指向性のmTNF変異体候補を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、マウス型TNFR2指向性のTNF変異体(アゴニスト)を取得することができており、当初の計画通り、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、概ね計画通りに研究は遂行できる見込みである。次年度は、取得したTNF変異体などを利用し、TNFR2を介した細胞内シグナルについての解析を試みる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画よりも経費を節約できたことから、予算を一部次年度に繰り越すこととした。繰り越した予算は、次年度以降に、当初計画よりも詳細な実験を行うことなどに使用予定である。
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