2015 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛輸送体の発現調節による内皮細胞機能制御とその異常に基づく重金属の毒性発現
Project/Area Number |
24390034
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鍜冶 利幸 東京理科大学, 薬学部, 教授 (90204388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 千夏 東邦大学, 薬学部, 教授 (70230571)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 亜鉛輸送体 / サイトカイン / TGF-β / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,サイトカイン/細胞増殖因子による亜鉛輸送体の発現調節を検討した。その結果,TGF-βがZIP8の発現を選択的に誘導することが明らかになった。 内皮細胞においてTGF-βシグナルは細胞膜上に存在する受容体ALK1およびALK5に介在される。そこで,各受容体のsiRNAを用いた発現抑制により,ZIP8 mRNAの誘導に関わる受容体を検討したところ,ALK5の発現抑制によりTGF-βによるZIP8 mRNAの誘導が抑制されたのに対し,ALK1の発現抑制ではほとんど変化が見られなかった。また,ALK5に特異的な阻害剤であるLY364947を処理した場合も同様に,ZIP8 mRNAの誘導が抑制されたことから,内皮細胞においてZIP8を誘導するTGF-βシグナルはALK5に介在されることが示唆された。次に,ALK5の下流シグナル分子を検討したところ,TGF-βの濃度依存的なSmad2/3の活性化が見られ,Smad2 siRNAおよびSmad3 siRNAによりZIP8 mRNAの誘導が抑制された。TGF-βにより,ERK1/2,p38 MAPK,JNKのリン酸化が認められたが,p38 MAPK阻害剤SB203580がTGF-βによるZIP8 mRNAの発現上昇を抑制したのに対し,ERK阻害剤PD98059およびJNK阻害剤SP600125は影響を及ぼさなかった。ALK5阻害剤LY364947およびSmad3ノックダウンによりp38 MAPKのリン酸化は顕著に抑制されたが,Smad2ノックダウンのp38 MAPKのリン酸化への影響は小さかった。また,p38 MAPK阻害剤SB203580はSmad2/3のリン酸化に影響を及ぼさなかった。以上の結果から,TGF-βはALK5-Smad2/3-p38 MAPKシグナル伝達経路の活性化を介して特異的にZIP8の発現を上昇させることが明らかとなった。 血管平滑筋細胞についても同様の検討を行い,このcell typeではTGF-βがZIP8の発現を選択的に抑制すること,その抑制はALK5/Smad2経路に介在されることが明らかになった。 以上の結果は,血管組織におけるZIP8の発現がTGF-βによってcell type依存的に制御されていることを示している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] 有機金属化合物の細胞毒性2015
Author(s)
山本千夏,安池修之,鍜冶利幸
Organizer
第42回日本毒性学会学術年会
Place of Presentation
金沢市アートホール(石川県金沢市)
Year and Date
2015-06-29 – 2015-07-01
Invited
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