2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390045
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50115929)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 雄樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00378027)
鈴木 倫毅 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80456649)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | オートファジー / ホスファチジルイノシトール3燐酸 / 電子顕微鏡 / オートファゴソーム / 急速凍結・凍結割断レプリカ標識法 |
Research Abstract |
オートファゴソームの形成に必須であることが知られている膜脂質ホスファチジルイノシトール3燐酸(PI3P)の局在について、急速凍結・凍結割断レプリカ標識法を用いて解析した。オートファジーを誘導した酵母、哺乳類細胞を急速凍結し、凍結割断レプリカを作製し、p40phoxのPXドメインをプローブとして標識して電子顕微鏡観察した。標識特異性については異なるホスフォイノシチドを含むリポソームを同様に処理、標識して確認した。解析の結果、酵母のオートファゴソームおよびオートファジー小体では、PI3Pが膜の細胞質側よりも閉鎖空間側(2枚のオートファゴソーム膜の間にある閉鎖空間に面した側)により多く存在するのに対し、哺乳類細胞ではオートファゴソーム膜の細胞質側に限局して存在し、酵母と対照的な分布を示すことが明らかになった。酵母オートファゴソームのPI3Pの非対称性分布は、細胞質に存在する2つのPI3P脱燐酸化酵素を欠損させた変異株(slj3Δymr1Δ)では消失した。この結果から、酵母オートファゴソームではもともと対称性に存在するPI3Pのうち、細胞質側のPI3Pが分解されることによって非対称性分布が完成すると推測された。閉鎖空間側にPI3Pが生じる機構に関しては、フリッパーゼによる輸送、膜新生過程での内在化などが関与する可能性がある。今回の研究結果は酵母と哺乳類細胞のオートファジー膜形成の過程に大きな違いがあることを示唆している。オートファジー膜形成機構を解明するためには閉鎖空間側にPI3Pが生じるメカニズムを解析することが重要な鍵になると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
膜脂質の局在を独自に開発した新たな電子顕微鏡の方法で解析し、オートファジー膜について新しい知見を得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究ではホスファチジルイノシトール3燐酸が閉鎖空間側(内腔側)に出現することが明らかになったが、その分子メカニズムは不明である。この機構を追究することは、オートファジー膜形成の根本的なメカニズムの解明につながることが期待できるので今後の研究ではこの点に焦点をあてて解析を進める予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に購入し、本研究費で支払いを行う予定であった試薬の納入が遅れ、新年度にずれ込んだため。 すでに試薬は発注済みであり、納品後ただちに研究に使用する予定である。
|
Research Products
(12 results)
-
[Journal Article] Integrated omics study delineates the dynamics of lipid droplets in the Rhodococcus opacus PD630.2014
Author(s)
Chen Y, Ding Y, Yang L, Yu J, Liu G, Wang X, Zhang S, Yu D, Song L, Zhang H, Zhang C, Huo L, Huo C, Wang Y, Du Y, Zhang H, Zhang P, Na H, Xu S, Zhu Y, Xie Z, He T, Zhang Y, Wang G, Fan Z, Yang F, Liu H, Wang X, Zhang X, Zhang MQ, Li Y, Steinbüchel A, Fujimoto T, Cichello S, Yu J, Liu P.
-
Journal Title
Nucleic Acids Res
Volume: 42
Pages: 1052-1064
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Inhibition of NPC1L1 by ezetimibe activates autophagy in human hepatocyte and reduces mutant α1-antitrypsin Z deposition.2013
Author(s)
Yamamura T, Ohsaki Y, Suzuki M, Shinohara Y, Tatematsu T, Cheng J, Okada M, Ohmiya N, Hirooka Y, Goto H, Fujimoto T.
-
Journal Title
Hepatology
Volume: 59
Pages: 1591-1559
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-