2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390072
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
丹伊田 浩行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20336671)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | DNA複製 / DNA損傷修復 |
Research Abstract |
我々はDNA損傷修復の際に、dNTPs供給経路の律速酵素リボヌクレオチドレダクターゼ(RNR)が損傷部位に集積することを見出している(Genes Dev. 2010 24:333-338)。この損傷部位への局在にはヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT),Tip60に依存することを報告した。この発見に基づきDNA複製の際にもRNRが複製起点に局在し、dNTPsの局所的な供給を行う可能性について検討した。Tip60と同じMYST familyに属するHATであるHBO1は複製開始前複合体(pre-RC)のORCおよびCDTIと結合し、複製起点近傍のピストンをアセチル化してDNA複製のヘリカーゼと考えられるMCM複合体のローディングを促すことが報告されている(Genes Dev. 2008 22:2633-2638, Molecul ar Cell 2010 37:57-66)。このHBOIとRNRが複合体を形成しRNRが複製起点にリクルートされるか否かについて調べたところ、HBOlとRNRの間に結合は認められなかった。しかしながらHBO1はDNA損傷後にリン酸化されるHATであることを見出し、このリン酸化がチェックポイントにより制御されていることを検討した。ヒトHBO1には5カ所S/TQ配列が存在するがこのうちATM/ATR依存的にリン酸化される部位を特定した。この部位得意的リン酸化抗体を作成し検討したところ、HBO1はDNAダメージ後にこのS/TQ部位がリン酸化され複製起点から遊離することが明らかとなった。このためまだMCMヘリカーゼがローディングしていない複製起点におけるライセンシングを抑制し、損傷修復までDNA合成の開始を抑制する新規機構の存在を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規機構の詳細の概要を明らかにしたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
HBO1に関する本研究遂行過程において、HBO1がヌクレオチド除去修復に関わっている可能性が示唆された。このためこの修復経路における分子機構を明らかにしたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題が発展的に展開しているためこの研究を進めて行くための実験補助員を雇用する必要がある。これを確保し、実験を行うための試薬代に基金分を使用する予定。
|