2012 Fiscal Year Annual Research Report
NKG2Dリガンドの免疫監視機能と病態における役割の解析
Project/Area Number |
24390091
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠原 正典 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30241318)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 紀幸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00447046)
宮武 由甲子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10421984)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | NKG2D / 皮膚免疫 / MHC / 病理学 / 免疫学 |
Research Abstract |
NKG2Dはナチュラルキラー細胞(NK細胞)、CD8+T細胞(キラーT細胞)、γ/δT細胞に発現される活性化レセプターである。本レセプターに対するリガンド(以下、NKG2Dリガンド)は正常細胞には発現していないが、がん化、ウイルス感染、創傷などのストレスによって発現が誘導される。NKG2Dにリガンドが結合すると、NK細胞、CD8+T細胞等は活1生化され、がん細胞、ウイルス感染細胞を破壊する。本研究では、当研究室において発見されたマウスのNKG2DリガンドであるH60c(histocompatibility-60c)に焦点を当てて解析した。皮膚に損傷を与えると、数時間で表皮ケラチノサイト細胞膜にH60c分子の発現が誘導され、それがdendritic epidermal T cell(DETC)として知られる表皮常在γ/δT細胞の活性化をもたらすことが明らかになった。また、H60cとNKG2Dとの結合を阻害するH60c特異的モノクロナル抗体を創傷部位に投与すると、創傷治癒が有意に遅延することが明らかになった。他のNKG2Dリガンドとは異なり、H60cの発現は皮膚、女性生殖器粘膜等の体表面に限局している。したがって、H60cは皮膚粘膜等の体表面の異常を免疫系に知らせることに特化したNKG2Dリガンドであることが示唆された。 最近、皮膚におけるNKG2Dリガンドの発現が全身性にTh2免疫応答を誘導することが明らかになりつつある。Th2免疫応答誘導におけるH60cの関与について検討を行った。また、DETCの発生分化に重要なSkint1分子に関しても研究を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定された実験を行っており、共同研究も順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに進める予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月購入予定の物品で4月支払い分があったため未使用額が発生した。
|
Research Products
(39 results)