2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト化マウス解析法によるヒト血液病原性ウイルスの増殖と宿主応答メカニズムの解明
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24390112
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小柳 義夫 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80215417)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒト化マウス / HIV / Vpr / アクセサリ蛋白質 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
HIV-1アクセサリ蛋白質であるVprは、培養細胞実験を使った解析から細胞周期G2期停止活性とアポトーシス誘導活性を有することが知られていた。しかしながらVprの生体内での役割については未解明であった。そこで野生型ならびにVpr欠損変異ウイルスを血液幹細胞移植によりヒト化したマウスに接種し、Vprのウイルス複製に対する影響を解析した。感染後1-3 週以内の血漿ウイルスRNA量ならびにCD4+各分画細胞数の変化を解析した。その結果、Vprを有する野生型HIV-1を感染させたマウスのFOXP3+CD4+制御性T細胞(Treg)は、同じマウス内のCD4+ナイーブならびにメモリーT細胞に比して早期に死滅した。Treg分画では感染後1週目にはHIVp24+ならびにG2期停止細胞が多く、さらに活性型Caspase3+細胞であることよりウイルス感染誘導性アポトーシスが生じていたことがわかった。一方、Vpr欠損HIV-1ではこのような現象はまったくなかった。生体内ではTregは増殖性の高い細胞群であり、実際このヒト化マウスにおいてもKi67高発現細胞であったことより分裂状態であること、かつHIV-1の補受容体であるCCR5の高発現細胞であった。このマウス内のTregはT細胞の活性化を抑制する機能を有することは、Treg破壊抗体薬(リシン標識CD25抗体)の投与によるTreg除去によりT細胞の活性化が誘導されることより確認され、さらに血漿HIV RNAレベルが10倍以上増加していた。これらの結果より、生体内においてはVprがTregへのHIV-1の感染をまず増強することから始まり、その後のこのウイルスの体内における複製をさらに促進することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長年のなぞであったHIV Vpr蛋白質の生体内おける機能を解明したこと、HIV感染症における制御性T細胞の意義を明らかにしたことが特筆に値する。達成度は高い。
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Strategy for Future Research Activity |
HIVをはじめとするレンチウイルスは、感染初期段階において細胞増殖活性の高い制御性T細胞への感染性を獲得したことにより、このウイルスが生き残る戦術を選択しているのではと考えられる。そのさらなる分子機序の解明を通じて、HIVがどのようにT細胞の分子を利用して複製能を獲得して行ったのかその進化解明研究に発展させる。 さらに、その研究領域の国際的広がりから考えて、次年度の実験施行はHIV研究について、特にウイルス性因子と細胞性因子の関係性の解析を集中的に行う予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Antimicrobial peptide LL-37 produced by HSV-2-infected keratinocytes enhances HIV infection of Langerhans cells2013
Author(s)
Ogawa Y., Kawamura T., Matsuzawa T., Aoki R., Gee P., Yamashita A., Moriishi K., Yamasaki K., Koyanagi Y., Blauvelt A., Shimada S.
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Journal Title
Cell Host Microbe
Volume: 13
Pages: 77-86
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Oral administration of the CCR5 inhibitor, maraviroc, blocks HIV ex vivo infection of Langerhans cells within epithelium2013
Author(s)
Matsuzawa T., Kawamura T., Ogawa Y., Takahashi M., Aoki R., Moriishi K., Koyanagi Y., Gatanaga H., Blauvelt A., Shimada S.
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Journal Title
J. Invest. Dermatol.
Volume: 133
Pages: 2803-2805
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Differential impact of HIV-1 G-to-A hypermutation Induced by APOBEC3G and APOBEC3F in vivo2013
Author(s)
Sato K., Shibata J., Izumi T., Misawa N., Kobayashi T., Kimura Y., Ito M., Pathak K.V., Koyanagi Y.
Organizer
38th Retroviruses Meeting Cold Spring Harbor
Place of Presentation
Cold Spring Harbor, New York, USA
Year and Date
20130520-20130525
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