2012 Fiscal Year Annual Research Report
宿主受容体の同定によるヘルペスウイルス侵入機構の解明
Project/Area Number |
24390114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 康子 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50343257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯 華民 神戸大学, 医学研究科, 助教 (10595896)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウイルス / 受容体 / 感染症 |
Research Abstract |
ヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)は、乳幼児期の突発性発疹の原因ウイルスである。関与して熱性痙攣や脳症を引き起こすこともあり、その場合は予後不良となる。ほぼ100%の成人がこのウイルスに対する抗体を保有しており、このことからほとんどの成人の生体内にHHV-6Bは、潜伏感染していることになる。また、近年、免疫抑制にともなうHHV-6Bの再活性化による脳炎も予後不良の疾患として知られている。 近年、我々はHHV-6Bのエンベロープに存在する糖タンパク複合体、gH/gL/gQ1/gQ2の存在を見出した。さらにgQ1に対する抗体はウイルス感染に対する中和能を有するため、この複合体はウイルスの宿主への侵入に重要であることが判明した。HHV-6Bの侵入過程を解明するためにはどのような宿主受容体がこの過程に寄与しているかが重要なポイントとなる。しかし、HHV-6Bに対する受容体はまだ発見されていない。そこで本研究ではHHV-6Bに対する宿主受容体を同定することを目的とした。 今回受容体のリガンド分子であると考えられるgH/gL/gQ1/gQ2複合体の可溶型を作製した。この可溶型を用いて受容体検出のツールとした。まず、このリガンド可溶型がHHV-6B感受性細胞に結合することができるか否かについてFACSを用いて検討した。その結果、HHV-6B感受性細胞の膜面には結合し、非感受性細胞の膜面には結合しないことが判明した。そこで、この感受性細胞の溶解物を用いて、リガンド可溶型と結合する分子を同定することとした。その結果、コントロール分子には結合せず、リガンド可溶型にのみ結合する宿主分子の候補がwestern blotで検出できた。これに相当する宿主分子をゲルから切り出し、LC/MS/MS解析に供した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
HHV-6Bに対する宿主受容体の候補分子が同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
LC/MS/MS解析により得られた分子に関して結果の信愚性について確認を行う。もし、その分子が検出された場合は1.、抗体によりウイルスの感染が中和できるか?2.その分子の可溶型によりウイルス感染を阻止できるか?3.ウイルス感染により膜面からの発現が変化するのか?について詳細に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫のためのマウス、モルモットの購入 試薬類の購入 ガラスビン、プラスチックウエア(ピペット、チップ、シャーレ、チューブなど)の購入 旅費(国際学会、国内学会)
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