2012 Fiscal Year Annual Research Report
抗原提示分子のユビキチン化による新たな免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
24390122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石戸 聡 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (10273781)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MHC class II / CD86 / ユビキチン / 寛容 / IgE |
Research Abstract |
MHC class II(MHC II)のユビキチン化消失により樹状細胞の機能が抑制される事、さらに、MHC IIのユビキチン化消失が樹状細胞の活性化によって起こる事から、MHC IIのユビキチン化が樹状細胞の活性化を抑制しているとの仮説を得た。さらにMHC IIのユビキチン化はそのE3ユビキチンリガーゼであるMARCH-Iにより制御されており、MARCH-Iの発現は樹状細胞の活性化によって抑制される事を見出している。これらの事から、樹状細胞は活性化シグナル(TLR等からのシグナル)を受けると、甑RCH-1の発現を抑制することによりMHC IIのユビキチン化を抑制し、安定的に抗原提示を行うが、それと同時にあるいは遅れて樹状細胞の抑制がMHC IIのユビキチン化消失によって行われていると考えた。従って、この仮説を検討する為に、(1)MARCH-Iの発現抑制の機構を解明する、(2)MHC IIのユビキチン化が消失しないマウスを作成する事を今年度の目標に設定した。(1)に関して、MARCH-Iタンパクが可視化出来るマウスの作成と解析へ向けての繁殖を行った。樹状細胞にてアミノ末端にFLAG tagが挿入されたMARCH-Iタンパク(MARCH-I-FLAG)を、ウエスタンブロットにて検出出来る事を確認した。また、樹状細胞の活性化によりMARCH-1タンパクが減少する事をMARCH-I-FLAGにて確認した。さらに、MARCH-Iの転写開始点を同定し、転写レベルにおける検討の準備が整った。(2)に関しても、すでに遺伝子改変マウスの準備が整いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究室の移動があり、遺伝子改変マウスの繁殖に遅れが出ると思われたが、現在順調にマウス管理がなされている。また、MARCH-I-FLAGタンパクの検出もすみやかに行われており、解析へ向けた準備は順調に整いつつある。従って、現在まで概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
MARCH-I FLAGマウスを用いて、生体内におけるMARCH-Iの発現制御機構を明らかにし、MARCH-Iの発現抑制を止める手法を考案する。MHC IIのユビキチン化が消失しないマウスを用いて、MHC IIユビキチン化の消失する意義に迫っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
MARCH-I FLAGマウスを用いて、免疫応答におけるMARCH-Iの発現の変化を調べる。また、同様の検討を、in vitroにて作成された樹状細胞にて検討する。MHC IIのユビキチン化が消失しないマウスを用いて、免疫応答がどのように変化するのかを詳細に検討する。また、研究室移動のため遅延したマウスの繁殖を、24年度残額を用いて速やかに行う。
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Research Products
(5 results)