2013 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品適正使用支援システムの開発と高度医療専門職人材育成への応用
Project/Area Number |
24390126
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
紀ノ定 保臣 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50161526)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 光浩 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (30433204)
伊藤 善規 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50159927)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | FAERS / 医薬品有害事象 / データマイニング / ネットワーク分析 / コミュニティ分析 / SSRI / 抗うつ薬 / 自殺企図 |
Research Abstract |
医薬品適正使用支援システムで有害事象の原因探索を実用的な速度で,対話的に,かつ医療専門職として臨床経験を活用しつつ有害事象の特徴的なパターンに基づく新たな知識の発見を支援する機能を充実した。特に,大規模有害事象データベースを実用的な速度で機能させるため,従前のハードディスクに格納していたデータを半導体ディスク(SSD)に置き換えるなど,データのアクセス速度の大幅な改善を図ることにより,目的を達成することができた。 有害事象の原因探索については,共同研究者のみならず,薬学部系の学生や大学院生にも利用させる機会を与え,有害事象の特徴的なパターンの発見や原因探索が可能かどうかを検討した。その結果,これらの研究成果をレギュラトリサイエンス学会等に発表する程度にまで応用することができ,人材育成の面からも研究目的が達成されつつあることが確認できた。また,英文雑誌等にもその成果を投稿することができた。 SSRI系の抗うつ薬に関する有害事象を重点的に研究した。その結果,有害事象の頻度は若年者,成年,高齢者で異なることが明らかになった。また,性別間の差は観察されなかった。これらの研究成果を考えると,有害事象の特徴的なパターンには年齢を考慮する手法が不可欠であることが判明した。また,SSRI系と非SSRI系間で有害事象の発生パターンに有意な差が観察され,多面的な有害事象解析手法の必要性が明らかになった。 新たな有害事象パターンの発見手法として,ネットワーク分析手法の一種であるコミュニティー発見手法を開発し,応用した。その結果,SSRI系有害事象の自殺企図と深く関連する症状を発見することができた。この成果は,論文として投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医薬品有害事象分析環境の充実を含めた医薬品適正使用支援システムが実用的な速度で活用できるレベルに達した。また,医薬品有害事象分析に求められる特徴的なパターンの発見や新たな知識の発見を支援する手法の開発も順調に進展しつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
有害事象の原因候補医薬品の組み合わせルール毎に,生化学や代謝ネットワークシステム等の視点から分析・検証することに力点を置きたいと考えてる。これにより,医薬品適正使用を支援するシステムの機能充実が大きく推進すると期待できる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品の購入に際し,当初予定より若干安価に購入できたため,次年度使用額が生じた。 次年度は,最終年度になるため,報告書作成等の経費に流用する予定である。
|
Research Products
(6 results)