2012 Fiscal Year Annual Research Report
電磁環境からの医療機器の安全安心な使用環境の確立と医療効率向上に関する研究
Project/Area Number |
24390129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
花田 英輔 島根大学, 医学部, 准教授 (90244095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 孝人 大分大学, 工学部, 准教授 (60225159)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電磁環境 / 医療機器 / 無線通信 / シミュレーション / RFID / 電磁ノイズ |
Research Abstract |
(医療機器・福祉機器・各種設備(電気設備や空調設備)間相互の電磁干渉調査) 複数の異なる環境にある病院を対象として具体的な発生源の探索と状況を中心に調査した。調査の結果発生源はある程度特定できたが、測定や照射実験の実施には至らなかった。 (医療現場における無線通信の安全な導入に向けた手順の検討) 病院もしくは福祉介護等、医療機器を使用する現場への無線通信の安全な導入手順試案を作成し、吟味のうえで日本生体医工学会専門別研究会「医療電磁環境研究会」を通して冊子体として発行した。また、作成した手順および導入事例を集め、11月開催の日本医療福祉設備学会においてシンポジウムセッションを開催し、周知を図った。 島根大学医学部附属病院における導入例を参照した医療への無線通信導入の手順及び利欠点に関する論文を投稿し、受理された。さらに平成25年度に開催される国際学会に多角的視点に基づく無線通信基盤導入に関する論文を2件投稿し、いずれも受理された。 (電磁環境シミュレーションの開発と実証試験) RFID物品管理システムを想定した電磁環境シミュレーションを実施した。具体的には、RFID物品管理システムで用いられる2種類のアンテナ(開口付導波管アンテナ及び線状ループアンテナ)の近傍電磁界について、有限差分時間領域法(FDTD法)に基づく数値解析を行った。成果は3月開催の国際学会ISMICT2013において発表した。 (医療における無線通信技術導入例の実証と導入の利欠点の整理) 本研究と別に進めてきたRFIDを用いた医療機器運用管理システムを試作した。必要な機能の確認はできたが、試作段階までの開発となっている。同一周波数帯の異なる2つ以上の規格の無線通信の併存可能性について試験し、共存に向けた問題点等を確認できた。RFIDを例とした無線通信技術導入については、3月開催の国際学会ISMICT2013において特別セッションを開催して発表すると共に試作システムを展示し、評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療現場への無線通信の導入手順及び利欠点に関する研究では、予定より早く冊子体発行、論文化、国際学会投稿に至った。電磁環境シミュレーションについても成果を得て国際学会の発表を行うことができた。RFIDに関するシステム開発は試作に留まったが、概ね順調である。医療現場における電磁干渉調査は実験に至らず、この面は予定より遅れている。これらを総合的に勘案し概ね順調と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は医療現場への無線通信導入手順の周知を図ると共に、電磁干渉調査を進めたいと考える。電磁環境シミュレーションはさらに条件を加え実施する。RFIDに関するシステムは現場での実証試験の開始を目標とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に成果発表を予定していた国際学会のうち、1件は受理されず、1件は国内で開催れたことにより、旅費に残額が生じた。平成25年度は既に2件の海外での学会発表が決定しており、さらに1件程度受理されれば、これへの旅費等に使用予定である。また、実験機器の作成が年度末になったため、支払いが平成25年度になったものがあり、これへの支払いにも充てる。
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