2013 Fiscal Year Annual Research Report
入院患児の負のイメージ心理変化量を定量的に評価するツールの開発
Project/Area Number |
24390132
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
岡崎 章 拓殖大学, 工学部, 教授 (40244975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (70233377)
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
尾形 善康 佐賀大学, 医学部, 助教 (90398123)
丸 光恵 東京医科歯科大学, その他の研究科, 教授 (50241980)
山下 利之 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (90191288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心理評価 / 入院患児 / 感性評価 / 小児看護 / 感性デザイン |
Research Abstract |
本年度の成果は,大きく分けて2つである.一つは,心理量を,重さ,面積,容積,長さを物理量として評価できるツールの精度を高め,実際の小児を対象とした実験により適応年齢を明らかにしたことである. 重さ(球と立方体)に置き換えて評価できるツールの適応年齢は,6,7歳からである.カタチからのイメージが形成されていない時の場合は,どちらを用いもよい.面積(正方形と正円)に置き換えて評価できるツールの適応年齢は,4,5歳からである.容積に置き換えて評価できるツールの適応年齢は,比率の概念が理解できる9歳前後からである.長さに置き換えて評価できるツールの適応年齢は,4歳前後からである. もう一つの成果は,痛み,強張り,痒みのレベルを評価できるツールを開発したことである.それぞれの症状への原因及び種類を基にプロトタイプを複数制作し,より実用化として有効なものを検討した. 痛みは,球体をベースとして凸の大きさで痛みのレベルを7段階で評価することができるものを開発した.有効性を検証するために,被験者に痛みの経験を5つ挙げてもらい,10段階の数値評価法と本ツールの両方で評価し検証を行った.こわばりの評価ツールは,人の指をイメージし,その曲がり具合でレベルを表したものを開発した.痒みの評価ツールは,半球体の内側にある凹凸の数でレベルを表すものを開発した.直接的な痒みに加えて体の内側からの痒みを連想させ評価できるように半球体を伏せると半透明で内側の凹凸が見えるようにした. それぞれのツールは,成人を対象とした実験で既存の評価法と同等レベルに使えることを示した.また,小児専門看護師,小児看護学の専門家,病棟保育士らによる専門会議においては,既存の評価方法である数値や別のものに置き換えて評価する必要がなく,直感的にかつ遊び感覚で使用できる点が大きいという評価を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた心理量を物理量に置き換えて評価できるツールは,重さ,面積,容積,長さについてであった.それらについては,実際の入院患児などによる検証から有効性を示すことができた.またそのオリジナリティやデザインについては,特許取得,キッズデザイン賞受賞などとして評価を得ている. また,研究を進めるうちに医師や看護師からの要望として挙がった痛み,強張り,痒みを評価するツールについても着手し,小児看護専門看護師などによる専門家会議や成人を対象とした実験からその有効性を示している. 更に,入院患児の身体的負担などに考慮して,実際にツールに触れなくても見ただけでも触った感じを得ることができる視触覚情報を用いたデジタル・ツールに着手しようとしている. 上記のことより,当初の計画以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるため,全てのツールの精度を向上させて小児医療の現場で実際に使えるツールとして完成させる. また,痛みを初めとして,入院患児の身体的負荷が最小限となるようなツールを開発する.一つは,球をベースとして7段階の凹凸を配置して痛みのレベルと片手で評価できるツールの開発と,もう一つは,見ただけで触れた感じを得ることができる視触覚情報を用いたデジタル・ツールの開発を行う. 後者の実現のために,感性デザイン分野の研究者で有り,デジタルディバイスの操作における資格情報が及ぼす影響について研究実績があり,また,韓国の「国民大学インタラクションデザイン専門大学院」,「インゼ大学製品インタラクションデザイン専攻」, 「カナダのCarleton大学デザイン学部」とインタラクティブ製品の使用経験の一貫性を評価できるモデルの開発, および文化の違いによるパソコンのフォルダー管理方法及びアイコン使用に関する研究」などの実績がある研究者を研究分担者として追加する.
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Research Products
(9 results)