2013 Fiscal Year Annual Research Report
医療機器の開発に関する知的財産評価指標の有用性評価と妥当性検証
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24390136
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
赤川 英毅 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 室長 (40416219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 知子 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 研究員 (30437305)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療政策 / 産学連携 / イノベーション / 技術移転 / 製品化 |
Research Abstract |
研究成果から生じる知的財産については,現実には技術移転の難しさなども伴って十分に活用されているとは言い難いのが現状である.その原因として,既存の特許などの評価指標が定量化されておらず客観性に欠けること,汎用的な評価指標であるため治験・薬事申請などを必要とする医療機器には適していないことなどが考えられる.本研究は,医療機器に特化した知的財産の定量的な評価指標を確立したうえで,その有用性を評価し,かつ妥当性を検証することを目的とした.この目的を達成するため,これまでに医療機器の開発に際して生じる特許など知的財産に関する定量的な評価指標を開発した.この評価指標は特許など権利化の可能性,特許が実施されて活用されるための事業性,および医療機器本来の役割である救命など社会的な価値を示す社会性を主たる項目とした.医療機器開発に携わる医療機関,大学,企業など様々な属性の組織が本指標を取り扱うことが想定されるが,事業性や社会性など各々の組織によって重視する観点は異なると考えられるため,評価指標の開発においては組織ごとに“おもみづけ”できるようにも考慮した. 平成25年度には,前年度に整理した医療機器についての評価指標に基づいて,研究代表者らの所属する機関内において創出された発明の評価に着手した.これには,同機関での発明の着想から権利化への過程において,権利化の可能性,事業性,社会性を評価する運用プロセスにも本指標が導入された.これらのことによって,指標として謳われるだけでなく,実地に意思決定を支援するシステムとしての機能も作動させることとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度について,当初の計画どおりに当研究センターにおけるこれまでの知的財産などからモデルケースとなる適切な事例を抽出し,本研究による評価指標の有用性と妥当性の検討を開始できたため,その達成度はおおむね順調に進展しているものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,当研究センター以外にも,外部機関との連携の可能性を探りつつ本研究による評価指標の有用性と妥当性の検討を行い,その成果をまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度は所属機関の発明から権利化へのプロセスにどう評価指標を実装する取り組みも実施しており,同研究内容においては想定していたより物品等に予算を供しなかったことに因る. 知的財産に関する広く公開された情報を活用して本指標の妥当性と有効性を検証する計画であり,そのための役務などにも経費を供する可能性がある.
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