2014 Fiscal Year Annual Research Report
MRP4遺伝子多型による利尿薬の副作用予測に関するゲノム薬理学的研究
Project/Area Number |
24390140
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹栗 俊之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30261209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 富美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50274436)
松村 潔 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70285469)
吉原 達也 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80419613)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | チアジド / 利尿薬 / 尿酸 / 遺伝子多型 / MRP4 / ABCC4 / BCRP / ABCG2 |
Outline of Annual Research Achievements |
チアジド系利尿薬による高尿酸血症の発症に、尿酸トランスポーターの1つmultidrug resistance-associated protein 4(MRP4)が関与するといわれている。MRP4のE757K変異は活性を著しく低下させるが、日本人ではこの多型頻度が高い。そこで、MRP4遺伝子E757K多型とトリクロルメチアジド(TCM)投与後の血清尿酸値(SUA)と尿酸クリアランス(CUA)、尿中尿酸排泄(UUE)の関連を臨床試験で調査した。さらに、他の尿酸トランスポーター(BCRP、NPT4、URAT1、GLUT9)の遺伝子多型との関連も調べた。 日本人健康成人62名を対象としてTCM(4 mg/日)を14日間投与した。Day -1、0、6、7、13、14でSUAを測定した。また、Day -1~0、Day 6~7、Day 13~14のCUAとUUEを測定した。 投薬前と比較して1週後と2週後のSUAは、いずれのMRP4遺伝型においても増加した。1週後のCUAはEE型で低下しKK型では変化せず、UUEはEE型で低下しKK型ではむしろ増加した。この多型間の差は2週間後には消失した。したがって、尿中尿酸排泄は、EE型ではTCM投与初期から低下するが、KK型では遅れて低下することがわかった。一方、BCRP遺伝子Q126X多型のQX型保持者では、TCM投与後のSUAがQQ型と比較して有意に増加した。しかし、UUEは遺伝子多型間で差を認めなかった。以上より、TCMはBCRPを介した糞便中の尿酸排泄を阻害することによりSUAを上昇させる可能性があると考えられ、TCMによる高尿酸血症へのMRP4の関与は限定的と考えられた。 本研究結果より、BCRP遺伝子Q126X多型のXアレル保持者にはチアジド系利尿薬投与を避けるなどの配慮が必要かと考えられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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