2013 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性疾患予防を目的とした遺伝要因と環境要因の交互作用解明に関する疫学研究
Project/Area Number |
24390158
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三宅 吉博 福岡大学, 医学部, 准教授 (50330246)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 景子 福岡大学, 医学部, 講師 (40341432)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 社会医学 / 分子遺伝疫学 / 前向きコホート研究 / 横断研究 / アレルギー・ぜんそく / 環境要因 / 遺伝子多型 / 交互作用 |
Research Abstract |
平成19年度より出生前コホート研究である「九州・沖縄母子保健研究」を開始し、ベースライン調査、出生時、生後4ヶ月時、1歳時、2歳時、3歳時、4歳時追跡調査にそれぞれ1,757名の妊婦、1,590組、1,527組、1,430組、1,362組、1,306組、1,266組の母子が参加した。現在、5歳時及び6歳時追跡調査を実施している。生後4ヶ月前後に1,492組の母子から遺伝子検体を得た。別途新規に、24年度より25年度末まで3歳児を対象とした横断研究を実施し、6,500名程度より質問調査票によるデータを得、3,600名程度より遺伝子検体を得る見込みである。 妊娠中の母親の栄養摂取状況と子の2歳時におけるアレルギー疾患リスクとの関連を調べたところ、エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸を合算した摂取量と生まれた子の喘鳴リスクとの間に有意な負の量-反応関係を見出した。飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、αリノレン酸、n-6系不飽和脂肪酸摂取と喘鳴との間に関連はなかった。アトピー性皮膚炎はいずれの脂肪酸摂取とも関連がなかった。 「九州・沖縄母子保健研究」の母親のデータを用い、遺伝子多型とアレルギー疾患との関連を調べた。IL3遺伝子多型rs40401とアレルギー性鼻炎との間に有意な関連を認めた。IL3遺伝子多型rs40401と喘息との間に有意な関連を認め、喫煙との交互作用も認めた。IL5RA遺伝子多型rs6771148とアレルギー性鼻炎との間に有意な関連を認めた。17q21.2領域にあるTOP2A遺伝子多型rs11650680と喘息との間に有意な関連を認めた。 以上、5つの論文が英文学術誌に原著として受理された。6p21領域の遺伝子多型及びTSLP遺伝子多型のタイピングを終えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「九州・沖縄母子保健研究」の追跡調査は順調に推移し、既存のデータでの論文執筆も順調である。一方、新規に始めた3歳児の横断研究については、当初計画した対象者数に及ばなかったが、6,500名程度より質問調査票によるデータを得、3,600名程度より遺伝子検体を得る見込みであり、学術的に全く問題ない。
|
Strategy for Future Research Activity |
「九州・沖縄母子保健研究」及び3歳児の横断研究のデータを用いて、乳幼児におけるアレルギー疾患と関連する環境要因を調べる。また、3歳時におけるアレルギー疾患と関連する遺伝子多型を調べ、最終的に、遺伝要因と環境要因の交互作用を評価する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画より遺伝子解析試薬を安い価格で入手できた。 26年度で、3歳児を対象とした遺伝子解析研究において、試薬代金として使用する。
|
Research Products
(3 results)