2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運命決定機構を利用した環境汚染物質の曝露評価とその簡便検出法の開発
Project/Area Number |
24390159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
吉田 安宏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 俊弘 産業医科大学, 医学部, 教授 (60177748)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アポトーシス / オートファジー / 環境汚染物質 |
Research Abstract |
申請者らは環境汚染物質の健康影響に関して多方面から研究してきたものの、よりシンプルに且つ明確に健康影響評価できる方法の必要性に直面してきた。そこで、細胞が環境汚染物質によって何らかの影響を受けた際に出すサインに注目し、その特徴的なサイン(分子マーカー)を用いて、分子プロファイルすることで環境汚染物質に対する曝露評価を行うことを提案した。 初年度はマウスの初代培養細胞を用いたin vitroアッセイを中心に行った。サインとしてはeatmeシグナル、dangerシグナル、オートファジーシグナルに着目し、多くはそれらの細胞溶解液を用いたウエスタンブロット法とEMSA(ゲルシフト)法により、サインの誘導を解析した。 マウスの脾臓より脾臓細胞を調製し、初代培養細胞として用いた。またマウス骨髄細胞からマクロファージを分化誘導し、貧食細胞の例として用いた。環境汚染物質としては例年、春先に飛来してくる黄砂を想定し、PM10の粒子状物質を用いた。 刺激後、12時間で、脾臓細胞においてオートファジーの特徴的なサインであるp62とLC311の発現誘導が認められた。また誘導マクロファージにおいては刺激後12時間で、dangerシグナルに深く関与するNF-kBの活性化誘導が認められた。またLPSで誘導されるNF-kBに対して、PM10の粒子状物質は増強させる作用があることが示された。 以上より、初代培養細胞が環境汚染物質により影響を受け、シグナル・サインを誘導することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroのアッセイが中心であったため、比較的スムーズに実験が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はin vitroで更に種々の環境汚染物質を用いて、データ取得を重ねる計画である。概ね、計画通りに行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度に遺伝子導入装置の購入を予定していたが、予算の関係上取りやめた。その分を効率は落ちるが、試薬を用いた方法に移行し、H25年度に使用していく予定である。
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Research Products
(3 results)