2014 Fiscal Year Annual Research Report
文化変容の多層化に伴う性感染症流行拡大とその制御:共同体エフィカシー強化の効果
Project/Area Number |
24390164
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 桂子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00211433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 薫子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10508336)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒトの移動 / 文化変容 / 性感染症 / 外国人労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの移動、物流、情報ネットワークは急速に拡大しており、これに伴う疾病リスクが増大している。社会の変化と共に発生する文化変容に伴う疾病リスク、特に性感染症の罹患リスクの増大は多層的に発生し、急速に拡大している。 平成26年度の研究では、タイ王国の全国の受療登録データの分析により、18歳以上の外国人とタイ人の疾病登録状況を分析した。コレラ、マラリア、結核、性感染症の受療登録割合がタイ人より外国人に高く、移民労働者の健康リスクを量的に把握した。その他の疾病においては大きな差異が認められなかった。同国では低所得者への医療費補助はタイ人のみならず外国人にも適応し、また入国時の健康診査を実施して健康管理を行っている。労働者の健康推進に一定の効果が認められたが、疾患による罹病リスクの差異が存在し、労働環境や生活環境をふまえた健康教育、疾病予防、医療確保が必要であることが示唆された。 ヨルダン国のAl-Hassan地区にある工業特区の11の工場労働者の就労1年以上の18歳以上の男性労働者3,313人を対象として実施した性行動に関する調査結果に基づき、性感染症に関する知識、性行動、健康状態、労働環境との関係を精査した。無防備な性交渉の経験者は、国内労働者31.8%、外国人労働者35.6%、と同様の割合であった。この内、国内労働者59.2%、外国人労働者68.1%が、工業特区での仕事に就いてから無防備な性交渉を始めていた。ヨルダンでは宗教的背景から婚外性交渉に対して保守的な習慣であると信じられていたが、調査結果はヨルダン人労働者の婚外性交渉は、外国人労働者と同等で行われていることが示され、外国人と接する機会が多いこととの関係が示唆された。文化変容の多層化に伴う性感染症の流行拡大を制御するためには、文化的多様性をふまえた性感染症の予防に関する教育機会、相談の機会の確保の必要性が示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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