2013 Fiscal Year Annual Research Report
地域住民コホートに基づく酸化ストレスと2型糖尿病に関する分子疫学研究
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24390166
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大中 佳三 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30325518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 涼一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30154917)
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60274528)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 2型糖尿病 / 住民コホート / 分子疫学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、福岡市東区住民約13,000名からなる「生活習慣病予防を目指したコホート研究(九州大学福岡コホート研究)」の基礎調査および追跡調査に基づき、①ビリルビンと2型糖尿病リスクとの予防的関連を前向き研究によって検証するとともに、②ビリルビン代謝と抗酸化酵素系の機能的遺伝子多型と糖尿病リスクとの関連を検討することである。本年度は、2型糖尿病およびその他の主要疾病の罹患把握を目的とした九州大学福岡コホート研究の5年後二次調査を完了し、そのデータ整備を行った。調査対象12,694名のうち11,730名(92.4%)の協力と、別途実施した簡易健康調査による548名(4.3%)の回答を合わせ、合計12,278名(96.7%)の回答が得られた。また、10,427名(82.1%)がヘモグロビンA1c及び血清ビリルビン測定のための採血検査に協力し、その測定を完了した。これらの情報をもとに、新規発症の2型糖尿病(HbA1c 6.5%以上または糖尿病治療薬の新規開始)491例と、性・年齢階級を合わせたHbA1c5.6%未満の健常対照群(982例)を抽出した。これらの症例群と対象群について、SOD2、カタラーゼおよびセレン含有蛋白などの抗酸化酵素遺伝子多型と2型糖尿病リスクについて検討を行った。その結果、抗酸化酵素遺伝子の一部の一塩基多型(SNP1)と2型糖尿病リスクに関連性を示唆する成績が得られた。すなわちBMI 25以上の肥満者では、新規糖尿病発症がSNP1リスクアレルの保有者では年齢、飲酒、喫煙、身体活動度などで調整後もそのオッズ比が1.9倍と上昇していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2型糖尿病の罹患把握に必要な調査を終了し、データベースを完成させた。ビリルビン関連遺伝子および抗酸化酵素遺伝子多型に関する研究では、遺伝子解析を終了し、統計解析が可能な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
統計解析に必要なデータベースが完備しており、基礎調査時点の血清ビリルビン値、ビリルビン関連遺伝子および抗酸化酵素遺伝子の遺伝子多型と2型糖尿病の罹患リスクとの関連を計画通りに検討し、成果の取りまとめを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今回、関連が見いだされた遺伝子に関して、同遺伝子内の他のSNPならびに関連する遺伝子のSNPについて追加のタイピングを行う必要が生じたため。 SNPタイピング用のTaqMan probeおよびPCR試薬、プレート等の物品を購入する。
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