2012 Fiscal Year Annual Research Report
双生児家系世代間長期縦断データによる成人期以降発症疾患のライフコース遺伝疫学研究
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24390167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
大木 秀一 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00303404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 双生児 / 胎内環境仮説 / ライフコース遺伝疫学 / 世代間伝達 / 生態学的モデル / レコードリンケージ / 生殖補助医療 / 先天異常 |
Research Abstract |
両親世代・胎児期から小児期、小児期から成人初期(18歳)の要因が成人期以降に発症する疾患に与えるリスクをFamily-basedライフコース遺伝疫学的アプローチにより検証することが目的である。本年度は主として、データベースの更新と新規構築を行い、仮想的世代間コホートを構築することに取り組んだ。 第1コホートとして、1948年以降双生児入学者枠を設けている大学附属学校の大規模双生児家系長期縦断データベースの更新を行った。社会心理的要因に関する項目を中心に精選し、光学的なスキャニングを行った上で、追加項目の入力と最新年度の入力によりデータベースを更新した。分断されているデータベースを、一つにまとめ上げ、ライフコースを通じての分析が可能となるような、最適なレコードリンケージとデータクリーニングの方法を検討・実施した。 第2コホートとして、親子世代間データベースの新規構築を行った。郵送法質問紙調査により全国に存在する多胎育児サークルから入手した、両親および双生児のデータベースを構築した。調査結果を単純分析して報告書にまとめた。 以上のほかに、多胎児では生殖補助医療時の発生頻度が高いことを考慮して、生殖補助医療に伴う先天異常発生状況のデータベース(公表されている既存データの二次利用)も更新し、活用した。分析の結果、多胎児における先天異常の発生頻度が妊娠あたりで単胎児の2倍程度である'こと、発端者一致率が10%程度であることが明らかになった。その結果、胎内環境の1つとしての生殖補助医療の長期影響に関しても検討する必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の最大の目標は、分析に耐えうる精度を持った双生児家系データベースの構築である。第1コホートに関しては、データ更新を行い、最適なレコードリンケージとデータクリーニングを行った。第2コホートに関しても、約1000家系のデータベースを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
多胎児の場合、不妊治療の割合が約半数と大きいため、生殖補助医療に伴う先天異常のデータベースを活用し、不妊治療が胎内環境に及ぼす影響を検討していく。その他は、当初の研究計画書に沿って次年度以降も研究を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文掲載料や洋書購入の支払い請求が年度を超えたことや、統計解析用の専門ソフトの年間契約料を別財源から支払ったため次年度使用額が生じた。次年度は海外学会発表(旅費・学会参加費)を数回予定しており、また論文作成(英文校正料、論文掲載料)の費用とする。
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Research Products
(10 results)