2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390173
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
新開 省二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60171063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50332367)
西 真理子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70543601)
村山 洋史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00565137)
谷口 優 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40636578)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 虚弱 / 高齢者 / 介護予防 / スクリーニング / 複合プログラム |
Research Abstract |
2年目の本年度は、(1)縦断研究の継続、(2)虚弱改善プログラムの開発、(3)虚弱の医療費・介護費に及ぼすインパクトの解明を主な目的とした。 1. 縦断研究の継続 A. CGA健診:群馬県草津町の65歳以上の住民を対象とした健診(高齢者総合的機能評価CGAを含む)を実施し608人のデータを入手した。B. 悉皆訪問調査:草津縦断研究では、これまで悉皆訪問調査を2年に一度実施してきており、本年度がその実施年にあたっていたが、3年に一度の介護保険事業計画づくりのための調査を来年に控えており、同調査と一緒に行うことが対象者への負担が少ないと考え、本年度は実施しなかった。 2. 虚弱改善プログラムの効果検証のためのRCT(クロスオーバー法)の実施 鳩山コホート研究の参加者に対する簡易郵送調査から、日本版虚弱指標得点が2点以上のものに対し説明会を開催し、参加に同意したものを無作為に2群にわけて、RCT(クロスオーバー法)により、運動、栄養、心理・社会プログラムからなる複合プログラム(3ヵ月)の効果を検証した。合計77人が参加し、RCT開始前・中・後の合計3回測定会を実施し、データを入手した。詳細な結果の分析は次年度に行う。 3.データセットを用いた虚弱の医療費・介護費に及ぼすインパクトの解明 群馬県草津町で平成13年に実施された悉皆訪問調査をベースライン(BL)とし、以後約4年間追跡し、追跡期間中の死亡の有無、医療費および介護給付費を調べ、BL時の虚弱ありと虚弱なしの2群間で比較した。虚弱は性、年齢(および総合的移動能力)による影響を除いても死亡の独立したリスク要因であり、医療費(4年間の累積費用は一人あたり302万円 vs.166万円)のみならず介護費(同167万円 vs.22万円)の増大にも寄与しており、医療経済的インパクトが大きい病態といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展しているが、当初計画に挙げていた「悉皆訪問調査」を実施しなかった。その理由は、次年度に介護保険事業計画づくりのための訪問調査が予定されており、同調査と一緒に行うことが対象者への負担が少ないと考えたためであった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、高齢期の新しい介護予防の戦略と戦術を提案することを目的として、(1)高齢者の「虚弱」をスクリーニングする簡易質問紙の改良、(2)高齢者における虚弱の実態とその原因の学際的解明、(3)虚弱の改善に向けた複合プログラムの効果検証、を行うものである。最終年度に残された課題は、悉皆訪問調査の実施と虚弱改善に向けた複合プログラムの効果検証の二つである。当初本年度に実施予定であった悉皆訪問調査は、上記の理由から次年度に実施することとなったが、本年度は、関係団体との連絡調整を行い、介護保険事業計画づくりのための調査と一緒に次年度に悉皆訪問調査を行うことが決まった。また、複合プログラムの効果検証のためのデータはすでに入手しているので、次年度には詳細な分析を行うのみである。次年度およびこれまで2年間の研究成果にもとづいて、虚弱に着目した高齢期の新しい介護予防のあり方が提案できるものと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度交付申請時に予定していた「悉皆訪問調査」を実施しなかったため、それに必要な経費の支出がなかったためである。 次年度に実施する「悉皆訪問調査」の経費に充当する。
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Research Products
(40 results)