2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 直也 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (90313220)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝癌 / C型肝炎ウイルス / MICA / ゲノムワイド関連解析 / 薬剤スクリーニング / ncRNA |
Research Abstract |
われわれはゲノムワイド関連解析によりC型肝炎における肝発癌とMICA遺伝子多型が関連していることを明らかにした。そこで、C型肝癌におけるMICA機能を解明し、その発現調節を介した肝発癌抑止法を確立することを目的としている。 1)データベース上、MICA mRNAに類似したnon-codingRNA(ncRNA)が転写されている可能性が示唆されたので、肝癌細胞株を用いて確認した。MICA類似ncRNAは実際に転写されていた。そこで、MICA mRNAとncRNAとを個別に定量できるrealtime PCR系を確立した。 2)MICAの発現ベクターを構築し、市販抗MICA抗体を用いてWestern blotを行ったが、細胞内MICA蛋白を明瞭に検出できる抗体は見出せなかった。現在、新たな抗MICA抗体を作成中である。 3)可溶性MICA濃度の安定的測定法を確立し、種々の肝癌細胞株上清中の可溶性MICA濃度を測定した。多くの細胞株ではMICAmRNA発現量と正の相関を示した。MICAの発現調節機構を解明する上で、その動態を把握する検出・定量系を確立することは必須であるが、MICAのmRNAレベル、血中レベルの検出・定量系を確立し、種々の肝癌細胞株におけるMICAの動態を明らかにすることができた。 4)薬剤によるMICA発現制御を目的として、MICA発現量変化をハイスループットで検出可能な系を構築し、プライマリスクリーンを行った。MICAプロモータ領域をルシフェラーゼ上流に連結したレポータを作製後、肝癌細胞株において安定形質発現細胞クローンを単離し、FDA-approved Drug Libraryによるスクリーンを行い、MICA発現を制御し得る薬剤候補を見出した。本システムで検出した薬剤は全てFDA承認薬であるため、候補薬剤が早期に肝癌治療へ応用され得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画に掲げた課題のほぼ全てを行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内で発現しているMICA蛋白の定量、また、MICA蛋白の存在様式を明らかにするために、新たな抗MICA抗体を作成する必要がある。また、MICA発現検出系として、フローサイトメトリーを導入すべきである。今後は、C型肝炎ウイルスによるMICA発現誘導機構の解明と、MICA発現を誘導する化合物のハイスループットスクリーニングによる肝発癌を抑止する薬剤の同定、臨床応用開発を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
C型肝炎ウイルスRNA作成が予定よりも少量で済んだため、直接経費次年度使用額が生じた。 型肝炎ウイルスによるMICA発現誘導機構の解明を前年度に引き続いて行い、また、MICAがC型肝炎ウイルス増殖や細胞増殖、あるいはナチュラルキラー細胞に及ぼす影響を調べていく。同時に、MICAリポーター恒常的組み込みHuh7細胞を用いて、MICA発現を増減する化合物のスクリーニングを進める。
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Research Products
(4 results)