2012 Fiscal Year Annual Research Report
全エクソンシークエンスによるブルガダ症候群の新規原因遺伝子の探索と分子病態の解明
Project/Area Number |
24390199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
蒔田 直昌 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00312356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前村 浩二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90282649)
吉浦 孝一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00304931)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブルガダ症候群 / 全エクソン解析 / 遺伝子多型 / 次世代シークエンサー / イオンチャネル / 突然死 |
Research Abstract |
遺伝子変異の判明率が20%の致死性不整脈ブルガダ症候群の新たな疾患遺伝子を解明するために、12例のエクソーム解析をおこなった。遺伝子多型データベースdbSNP・1000Genomeに登録された遺伝子多型を除外し、「挿入・欠失、ミスセンス、またはスププライシング部位の未登録バリエーションが12例中2~5例にみられる」、という基準で候補遺伝子を選んだ。そのうち、神経・筋における生理作用がすでに明らかになっている遺伝子、心臓における発現情報が存在する遺伝子、心血管疾患のゲノムワイド関連解析の研究でリストアップされたことのある遺伝子を候補遺伝子として選択した。またすでに明らかになっているブルガダ症候群の13個の原因遺伝子のホモログについては、単一症例であっても、変異の部位が上記の基準満たす場合には候補遺伝子として取り入れた。これらのフィルタリングによって、SCN5A以外のNaチャネル遺伝子が2個(遺伝子A・B)、Caチャネル遺伝子が2個(遺伝子C・D)同定された(1次スクリーニング)。変異保有発端者は遺伝子A1名、B3名、C2名、D3名である。それぞれの遺伝子変異については、サンガー法で本人および家族の遺伝子を再シークエンスし、家系内で遺伝型・表現型連関を確認した。次に、登録されていない遺伝子多型を除外するために、健常人ゲノム300検体を使い、High Resolution Melting法、直接シークエンス法で変異の有無を確認した。今後、疾患遺伝子としての妥当性を確認するために、4つの候補遺伝子すべてのエクソンをブルガダ症候群96人のゲノムを用いてスクリーニングする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の予定は、(1)ブルガダ症候群12例のエクソーム解析と、(2)再シークエンスである。(1)は終了し4つの候補遺伝子を解明し、(2)については、家系内cosegregationの確認は終了した。ブルガダ症候群患者96人での候補遺伝子スクリーニングのため、Sure Selectプローブをすでに作成し、現在患者ゲノムのライブラリーを作成中である。研究の進捗はおおむね予定どおりと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
4つの新規ブルガダ症候群候補遺伝子(A-D)について、疾患遺伝子としての妥当性を確認するため、他のブルガダ症候群患者サンプルで同一遺伝子上の変異を探索する。さらに、可能なものについてはパッチクランプなどの機能解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
すでにSure Selectプローブを作成し、96人のブルガダ患者のライブラリを作成した。今後これらを用いて次世代シークエンサーMiSeqで解析するが、昨年度の繰越金はこれらのサンプルを流すために必要な試薬費に充てる。
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Research Products
(65 results)