2012 Fiscal Year Annual Research Report
血小板細胞の構成論的理解による心筋梗塞発症メカニズムの理解と制御法の開発
Project/Area Number |
24390202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
後藤 信哉 東海大学, 医学部, 教授 (50225653)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血小板 / 心筋梗塞 / 血栓 / 抗血小板薬 / 数理モデル |
Research Abstract |
冠動脈内にて血小板細胞とフィブリンにより心筋梗塞の原因となる冠動脈血栓が形成されるメカニズムには未知の部分がある。血栓の成長速度に及ぼす因子として、血管壁の性状、血流などの寄与が想定されているが、これらの定量的寄与は不明である。平成24年度には流体力学、移流拡散などの基礎方程式から血小板細胞シミュレーターを作成した。作成した血小板細胞シミュレーターの生物学的妥当性の検証のために精緻な生物学的定量実験を行なった。 刺激を受けた血小板は、細胞内に蓄積したADP/ATPなどの生理活性物質を局所放出する。ADP、トロンビンなどの刺激を受けた単一の血小板細胞からのADP/ATP放出量を時間的に精度高く計測した。実証実験の結果を再現可能なシミュレーションモデルを作成した。血管内皮損傷部位における単位時間当たりの血小板の接着数、接着した血小板細胞の流体力による受動的形態変化などの定量情報を実証実験により取得した。その結果から血小板接着モデルを作成した。血小板の接着における赤血球の寄与の重要性を示した。血小板細胞の代謝、シグナル動態に注目し、各種活性化物質による血小板刺激後の血小板細胞内カルシウムイオン濃度、リン酸化シグナル蛋白の細胞内局在を時間的、空間的に精度高く計測した。これらのシグナル動態を反映する血小板細胞活性化モデルを作成した。モデルからコンピュータープログラムを作成し、パラメーターを変化させて仮想的実験を行なった。今後の研究の発展のための基盤を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血小板細胞に関する生物学的実験について、既に実験系が確立されている。コンピューターシミュレーター作成を目指した観点からの実証実験を行なうことに困難性はなかった。血小板細胞モデルも基盤プログラムを保有しているので、実証実験結果に応じて部分的改変を行なうことによりシミュレーターの精緻化が可能であった。 血小板細胞から心筋梗塞の発症を構成するマクロモデルの作成が今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
実証実験とシミュレーション計算を相互に行い血小板細胞シミュレーターを精緻化させる。心筋梗塞症例に関する臨床研究成果から心筋梗塞の発症に至るマクロモデルを構成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本計画にしたがって研究目標の達成を目指して適正に使用する。
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[Journal Article] beta-Blocker use and clinical outcomes in stable outpatients with and without coronary artery disease2012
Author(s)
Bangalore S, Steg G, Deedwania P, Crowley K, Eagle KA, Goto S, Oilman EM, Cannon CP, Smith SC, Zeymer U, Hoffman EB, Messerli FH, Bhatt DL, REACH Registry Investigators.
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Journal Title
JAMA
Volume: 208
Pages: 1340-1349
DOI
Peer Reviewed
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