2012 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性免疫受容体アラジン-1を標的とした重症喘息の病態解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
24390205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田原 聡子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20360589)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アラジン-1 / 重症喘息 / アレルギー / ITIM / 抗体療法 |
Research Abstract |
「研究目的」気管支喘息患者の約1096はステロイド抵抗性の重症喘息である.抗IgE抗体療法が重症喘息で有効性を示すことから.IgE抗体およびIgE受容体陽性細胞が重症喘息の病態に関わることが示されているが,詳細な分子機構は不明である.申請者らは,IgE受容体のシグナルを抑制する免疫受容体,アラジン-1(Allergin-1)を同定した.Allergin-1遺伝子欠損マウスにダニ抽出物で喘息を誘導したところ,血清1gE抗体価及び気道抵抗が亢進した.このことから,Allergin-1は喘息の症状を抑える働きがあり,重症喘息治療の標的分子となる事が示唆された.そこで,Allergin-1の喘息症状を抑える分子機構を明らかにすることを目的として,平成24年度では,Allergin-1リガンドを同定することを試みた. 「研究成果」 1,Allergin-1リガンド発現細胞を明らかにした: Allergin-1の発現局在を明らかにするため,ヒトAllergin-1細胞外領域とヒトIgGlFc領域を融合したAlg-Fcキメラ蛋白を用いてフローサイトメトリー法により解析し,Alg-Fc蛋白が結合する細胞株を見出した,さらに,この結合は抗Allergin-1抗体により完全に阻害されることから,Allergin-1に特異的に結合する分子がこの細胞株に発現することが示された. 2,Alg-Fc結合分子のプロテオーム解析:Alg-Fcが結合する細胞溶解液からAlg-Fcを用いてAlg-Fc結合分子を免疫沈降後,プロテオーム解析し,Alg-Fcに結合する細胞膜分子を明らかにした.また,この分子のリコンビナント蛋白がAllergin-1発現トランスフェクタントに結合することも確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度では,Allergin-1リガンドを同定することを目的として研究を行った結果,Allergin-1に特異的に結合する細胞膜分子を同定する成果を得た.計画通りの成果が得られたため,おおむね順調に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,マウス喘息モデルにおけるAllergin-1とAllergin-1リガンドの分子機構を明らかにする.
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Research Products
(12 results)