2014 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症におけるグルコース応答性遺伝子発現制御機構の解明と新規治療法の開発
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24390229
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
羽田 勝計 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00124751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 征弘 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20451461)
牧野 雄一 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90345033)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / 糸球体 / メサンギウム細胞 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎症は、糖尿病患者の生命予後を規定する重要な臓器合併症のひとつであり、高血糖が発症・進展に関与すると考えられているが、その分子機序については不明な点が多い。我々は、高濃度グルコースが、腎メサンギウム細胞においてグルコース応答性転写因子Carbohydrate response element binding protein (ChREBP)を介して転写因子HIF-1αなどによる遺伝子発現調節系をグルコースシグナルのエフェクターとして作動させることを見いだし、その意義の究明を続けている。本研究は、糖尿病性腎症の発症および病態の成立における高グルコース誘導性遺伝情報発現制御の役割を明らかにし、グルコース作動性遺伝子群を標的とした新たな治療法開発の分子基盤を構築することを目指すものである。前年度までに糖尿病性腎症の病態におけるグルコース作動性遺伝子として、血小板由来増殖因子C(PDGFーC)を同定し、ChREBPによるPDGF-C遺伝子プロモーター活性化機構、PDGF-Cによる細胞外基質産生誘導機構、尿中PDGF-C排泄様相、などを明らかにして来た。今年度は新たなChREBP標的遺伝子として膜結合型site1 proteinaseを同定した。同proteinaseは、メサンギウム細胞において高グルコースによる転写因子ATF-6の活性化を媒介し、unfolded protein responseを誘導する事が判明した。高グルコースによるメサンギウム細胞のアポトーシス制御に関わるこれまで未知の新たなメカニズムと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ChREBPの新たな標的遺伝子を同定し、その糖尿病性腎症における意義を究明しつつある点は順調な経過であるが、昨年度までにも遅延としていたアデノウイルスを用いたin vivoでの遺伝子導入実験の進行は以前遅れている。また動物モデル作成も遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
アデノウイルスを用いたin vivo 遺伝子導入実験、遺伝子改変動物でのモデル作成などの実験を期間延長の上、行う。優先課題として取り組む。
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Causes of Carryover |
HIF-1alpha ノックアウトマウス、抗HIF-1分子IPAS発現マウスにおける糖尿病モデル、糖尿病性腎症モデルの作成並びにその解析に遅れが生じている。予備的検討は終了しており、期間延長により成果が得られる事が期待できるため、研究期間を延長して遂行する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記遂行のための物品費に充当する。
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Research Products
(3 results)