2012 Fiscal Year Annual Research Report
分子間架橋を応用したNFATc1複合体解析による骨エピジェネティクスの基盤的研究
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24390239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
龍野 一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (80282490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 知明 千葉大学, 医学研究科, 講師 (50447299)
吉田 知彦 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20422222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 発現制御 / エピジェネティクス / 発生・分化 |
Research Abstract |
高齢化社会に伴い骨粗霧症の急激な増加にもかかわらず、その治療薬の選択肢は決して十分ではない。その病態の中心に位置する骨リモデリングは骨形成と骨吸収のバランスで制御されているが、その本質は骨芽細胞と破骨細胞の機能調節である。骨エピジェネティクス制御が次世代型創薬ターゲットとして期待される中で、骨芽細胞と破骨細胞のクロマチンレベルでの制御分子機構はほとんど明らかにされていない。そこで、破骨細胞分化のマスターレギュレターであるNFATc1に着目し、クロマチン機能とエピジェネティクスを制御する転写因子複合体ネットワークに重要な分子群に対して、分子間架橋技術を応用し網羅的に同定することで、NFATc1生理機能発現の根底で作用する核内シグナルとクロマチン制御メカニズムの本質に迫る。LC-MS/MSを用いたNFATc1の複合体解析から新規転写複合体会合分子を複数同定することに成功した。中でもWHSC1は、ヒストンH3K36のトリメチル化を調節するエピジェネティクス制御因子であり、破骨細胞機能における機能解析を現在進めている。また、NFATc1の新規タンパク翻訳後修飾として、RHD-nNFAT(DNA結合ドメイン)やIPT結合ドメインにおいて、セリン残基のリン酸化、リジン残基のアセチル化、アルギニン残基のメチル化を同定した。これらの化学修飾は転写活性の新たな調節機構の可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスクリプトーム解析において、共同研究を推進することで、ゲノムワイドでの網羅的遺伝子解析が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、おおむね順調に進展しており、次年度は次世代型シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析を中心に、研究展開を行う予定である。
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