2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田村 智彦 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (50285144)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 遺伝子 / 発現制御 |
Research Abstract |
単球・マクロファージ(Mo/Mφ)や樹状細胞(DC)はいずれも,単核食食細胞群に共通の前駆細胞であるMφ-DC precursors (MDP)から分化するが,MDPの運命を制御する転写因子は未だ知られていない。本研究者は転写因子IRF8がMo/MφとDC両方の分化に必要な一方,好中球の分化を抑制することを示してきた。 しかしIRF8がどのような機序でこれら複数の細胞種の分化を制御するのかは不明である。本課題では我々の予備実験結果(IRF8がMDPで初めて発現し作用する)に基づき,IRF8の機能解析を通じて単核食食細胞系の初期分化機構を理解することを目的としている。 本年度はまずIRF8がMDPからMo、中でも特に炎症性Moへの分化に必須であることを見出した。さらにその分子機構をゲノム規模で理解するために、我々独自のIRF8依存性in vitro Mo分化系を用いてマイクロアレイによる遺伝子発現プロファイリングとIRF8やピストン修飾の全ゲノムクロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-seq)を行なった。その結果IRF8は転写開始点から遠位に結合してエンハンサーを創出し、Mo関連遺伝子の発現を誘導することが明らかとなった。さらにIRF8が別の転写因子KLF4の発現を誘導することが必須であることも明らかにした。その他、IRF8がMDPでその発現を急激に高めることや、IRF8による好中球分化抑制とその機序、IRF8が如何にして分化方向をDC・Moのうちどちらかに決定するのかの機序など、いくつかの新知見を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画した解析がすべて行えたのみならず、その過程で予期しない新知見を複数得ている。研究成果の一部をすでに論文や学会で発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、あるいは進捗状況によっては計画を前倒して推進する。特にIRF8による好中球分化抑制の機構については論文投稿を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度実験の条件検討が予定以上に順調に進んだため生じた次年度使用額は、次年度のマイクロアレイ解析の検体数を増やしデータの信頼性をいっそう高める為に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)