2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24390246
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田村 智彦 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50285144)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 遺伝子 / 発現制御 / 転写因子 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
単球(Mo)や樹状細胞(DC)はいずれも、単核貪食細胞群に共通の前駆細胞であるMo-DC progenitor (MDP) から分化する。本課題では、転写因子IRF8の機能解析を通じて単核貪食細胞系の初期分化機構を理解する。なお,IRF8欠損マウスは慢性骨髄性白血病(CML)様の病態を呈し、ヒトCMLではIRF8の発現が消失していることから、本研究は、ひいてはCML病態の新しい理解や治療法開発に繋がると期待される。H26年度の成果のうち主なものを記す。 (1)前年度までに得た「IRF8はC/EBPαに結合し活性を阻害することで単核貪食細胞前駆細胞における好中球分化を抑制する」という実験結果に関連して、今年度はMDPのみならず単球共通前駆細胞(cMoP)においてもIRF8が同様の働きをしていることを見出した。すなわちIRF8欠損マウスではcMoPも蓄積しかつ本来分化するはずのない好中球を大量に産生した。また、MDPやcMoPにおける内因性のIRF8とC/EBPαの結合をin situ proximity ligation assayによって検出した。これらの研究成果をNature Communications誌に発表した。 (2)本研究課題は25年度に引き続き26年度も新学術研究ゲノム支援に採択された。これによってごく微量の細胞数からChIP-seqを行なう手法を確立し、MDP等の前駆細胞における修飾ヒストンやIRF8のクロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-seq)を行なうことができた。IRF8が単核貪食細胞系のエンハンサー形成や活性化において果たす役割が判明しつつある。 (3)本研究の過程で、アレルギーなどに深く関わる好塩基球やマスト細胞の分化が、IRF8によって導かれているという予想外の結果を得た。その分子機序としてIRF8は顆粒球系前駆細胞においてGata2転写因子遺伝子の発現を誘導することも見出した。これらの研究成果はBLOOD誌に掲載され、「Inside Blood Commentaries」に取り上げられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Transcription factor IRF8 plays a critical role in the development of murine basophils and mast cells.2015
Author(s)
Sasaki H, Kurotaki D, Osato N, Sato H, Sasaki I, Koizumi SI, Wang H, Kaneda C, Nishiyama A, Kaisho T, Aburatani H, Morse HC 3rd, Ozato K, Tamura T
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Journal Title
Blood
Volume: 125
Pages: 358-369
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] IRF8 inhibits C/EBPα activity to restrain mononuclear phagocyte progenitors from differentiating into neutrophils.2014
Author(s)
Kurotaki D, Yamamoto M, Nishiyama A, Uno K, Ban T, Ichino M, Sasaki H, Matsunaga S, Yoshinari M, Ryo A, Nakazawa M, Ozato K, Tamura T
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 5
Pages: 4978
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] 転写因子IRF8によるC/EBPαの機能阻害が単核貪食細胞前駆細胞において好中球分化能の喪失をもたらす.2015
Author(s)
黒滝大翼, 山本道雄, 西山 晃, 宇野和宏, 藩 龍馬, 市野素英, 佐々木 悠, 松永智子, 吉成正裕, 梁 明秀, 中澤正年, Keiko Ozato, 田村智彦
Organizer
第19回造血器腫瘍研究会
Place of Presentation
グランデはがくれ(佐賀市)
Year and Date
2015-01-23
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[Presentation] The transcription factor IRF8 is essential for basophil development.2014
Author(s)
Sasaki H, Kurotaki D, Osato N, Sato H, Sasaki I, Wang H, Kaneda C, Nishiyama A, Kaisho T, Aburatani H, Morse HC III, Ozato K, Tamura T
Organizer
第76回日本血液学会学術集会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪)
Year and Date
2014-10-31
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