2013 Fiscal Year Annual Research Report
低分子化合物を用いたエクソンスキッピング誘導によるジストロフィン発現法の確立
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24390267
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
松尾 雅文 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (10157266)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 核酸 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
研究者らが提唱した「AO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)を用いてジストロフィン遺伝子のスプライシング時にエクソンスキッピングを誘導して、ジストロフィンを発現させるDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)の治療法」は、現在世界標準の治療法となりつつある。しかし、申請者はこれまでの研究実績から、高分子核酸「AO」に代わり、「低分子化合物」を用いる最先端手法を世界に先駆けて着想した。そして、低分子化合物が変異エクソンではあるがそのスキッピングを誘導し、ジストロフィン発現を促進する事実を明らかにした(Nature Commun2011)。 本研究では正常のエクソンを塩基配列特異的にスキッピング誘導する低分子化合物を探索・同定し、それを用いて患者培養筋細胞でジストロフィンの発現を実証し、実用性有効性ともに優れた画期的DMD治療法の確立を世界に先駆けてはかるものである。そのために以下の研究を実施した。 1.エクソンスキッピングを誘導するリード低分子化合物の探索・同定:各標的エクソンを組み込んだレポーター遺伝子を構築し、それを培養細胞に導入した。そして、低分子化合物の存在下でスプライシング反応を進行させ、エクソンスキッピング誘導能を有する化合物の同定をはかった。そのため、作成したレポーター遺伝子をHeLa細胞等に導入し、HeLa細胞培養の培地に各種の低分子化合物を添加した。そして、エクソンのスキッピングをRT-PCR解析の方法により探索することを継続的に実施した。 2.エクソンスキッピング誘導する化合物の同定:1の過程でエクソンスキッピングを誘導する候補化合物を見出した。そして、その候補化合物の作用機序などについて検討を加えた。 3.多エクソン同時スクリーニング法の開発:一度に多数の解析が可能となる多エクソン同時導入システムの開発をはかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レポーター遺伝子を構築し、それを用いたケミカルスクリーニングをすでに開始している。そして、1部のエクソンにおいてエクソンのスキッピングを誘導する化合物の候補化合物を明らかにすることに成功するなど成果を挙げてきている。さらには、スクリーニング効率が上がる多エクソン同時スクリーニング法の開発にも目途がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の研究をさらに推進することにより、エクソンスキッピング誘導により効果的な化合物の同定をはかる。また、同定した候補化合物については、それを基本としてさらに有効な化合物の同定をはかる。そして、臨床応用可能な化合物の発見に努め、患者由来細胞を用いた検証をはかる予定である。また、さらに有効な探索法についても検討し、低分子化合物の同定の迅速化についても推進する。
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