2014 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノム機構の異常が関与する遺伝性発達障害の発症病態の解明
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24390270
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
伊藤 雅之 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第二部, 室長 (50243407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 潤一郎 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 研究リーダー (60181731)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エピゲノム / 発達障害 / レット症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年は、主にMECP2遺伝子発現制御マウスの確立と解析を進めた。 (A) MeCP2遺伝子の発現とRTT発症ならびに回復治療の臨界期に関する研究: ROSA26ゲノム領域にテトラサイクリンのMecp2遺伝子発現コントロールシステム導入したノックインベクターを構築し、マウスを作成した。前年度に引き続き、凍結胚細胞を作成し再生することで、個体確保を行った。さらに、Mecp2欠損マウスとの交配が必要なため、これを進めた。その結果、Mecp2発現制御マウスを作ることに成功したが、ここでも個体発生が十分に得られなかった。 (B) MeCP2の分子機構に基づくRTTの病態の解明と治療法の開発:Mecp2のMBDの変異導入細胞の解析の結果から、軽症化に関与する二つの候補分子を得た。 マウスにおける発現解析の結果、脳、骨格等広く分布することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Mecp2発現制御マウスの解析は遅れているものの、細胞生物学的研究は研究計画どおりに概ね進めることができた。 Mecp2発現制御マウスの遅れは、Mecp2遺伝子改変マウスとCre発現マウスとの交配が進められなかったことによる。平成26年度は、体外受精を行いMecp2遺伝子改変マウスの確保をはかった。さらに、次に必要なMecp2欠損マウスとの交配でも十分な個体発生が得られなかったため、体外受精を再度行った。結果として、Mecp2遺伝子発現制御マウスは少数得られたものの、十分な解析ができなかった。一方、レット症候群の軽症化に関与する分子の解析は、個体レベルの発現分布を解明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の方向性は、当初研究計画どおりである。MeCP2の分子病態から治療候補分子を同定すること、培養細胞を用いた治療薬スクリーニング、Mecp2遺伝子発現コントロールマウスによる治療臨界期の解明である。これらMeCP2分子を中心とした病態解析をすすめ、治療法開発のための基盤を作り上げていく。しかし、後者については大幅な研究の遅れが予想される。
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[Journal Article] Expression of Astrocyte-related Receptors in Cortical Dysplasia with Intractable Epilepsy2014
Author(s)
Sukigara S, Dai H, Nabatame S, Otsuki T, Hanai S, Honda R, Saito T, Nakagawa E, Kaido T, Sato N, Kaneko Y, Takahashi A, Sugai K, Saito Y, Sasaki M, Goto Y, Koizumi S, Itoh M
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Journal Title
J Neuropathol Exp Neurol
Volume: 73
Pages: 798-806
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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