2013 Fiscal Year Annual Research Report
17型コラーゲン発現制御による画期的水疱症モデルの作成と応用
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24390274
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西江 渉 北海道大学, 大学病院, 講師 (20443955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏賀 健 北海道大学, 大学病院, 助教 (70645457)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体分子 / タンパク質 / 細胞・組織 / 酵素 / 自己免疫 |
Research Abstract |
本研究の目的は、水疱性類天疱瘡(Bullous pemphigoid:BP)の自己抗原である“ヒト17型コラーゲン(COL17)分子”を自在に発現制御可能なマウスを作製し、BPと表皮水疱症(Epidermolysis bullosa:EB)の病態メカニズム解明と新規治療法開発を行うことである。 平成25年度は、平成24年度に行ったin vitroでの実験結果に基づき、“ヒト17型コラーゲン(COL17)分子”を自在に発現制御可能なマウスの作製を開始した。本モデル作製に必要なヒトCOL17 cDNA-pTRE tightベクターを発現するトランスジェニックマウスを作製するために、HindIIIで切り出し可能なコンストラクトを作製し、386個のB6マウス受精卵前核へマイクロインジェクション施行した。386個中、349個を16匹の偽妊娠雌マウスへ移植したところ、72匹の産子を得た。72匹中、6匹においてヒトCOL17 cDNA-pTRE tightベクターがDNAレベルで導入されていることを確認した。得られた6匹の陽性トランスジェニックマウスからそれぞれ表皮基底細胞を培養し、レトロウイルスを用いTet-off発現制御ベクターを遺伝子導入したところ、3匹のマウスにおいてヒトCOL17 mRNAが発現誘導されたことを確認した。この研究成果を踏まえ、当科で飼育中であるケラチン14プロモーター‐Tet-on発現制御因子発現マウスと上記で作成したヒトCOL17 cDNA-pTRE tightベクター発現マウスを交配し、両方の遺伝子が皮膚で発現するダブルトランスジェニックマウスの作製を開始した。ダブルトランスジェニックマウスへドキシサイクリンを飲用水から投与すると、理論的にヒトCOL17マウス皮膚で発現誘導されることが予想され、平成26年度以降に解析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tetシステムを用いることで、COL17タンパクの発現をドキシサイクリン濃度依存性に制御可能であることがin vivoで可能なトランスジェニックマウスに最も大切な、ヒトCOL17 cDNA-pTRE tightベクター発現マウスの作製に成功した点が一番重要である。今後、Tet-on発現制御因子を発現するベクターを持つマウスと17型コラーゲン遺伝子改変マウスとの交配を繰り返すことで、表皮基底細胞でヒトCOL17の発現誘導可能なモデルの完成が近日中に可能となる見込みが高いため。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の実験計画通りに進んでいるため大きな推進方策の変更は無い
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Research Products
(4 results)