2013 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞は自身の生存をかけ放射線域を逃れるべく上皮間葉移行をなしうるか
Project/Area Number |
24390285
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西岡 健 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80271659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 永 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (00292045)
安田 元昭 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90239765)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HIF-1a / trascription / translation / UTR |
Research Abstract |
悪性腫瘍の放射線に対する効果を下げる因子として低酸素がある。低酸素状態においては腫瘍細胞は自身の酸素また栄養素をえるために血管増殖因子、またそのような低酸素環境からのがれるために転移を促すさまざまな物質を放出する。これらの因子、物質をコードするDNAの転写因子に低酸素誘導因子(HIF-1alpha)がある。今回の研究ではHIF-1alpha mRNAから同蛋白への翻訳がどのように調節されているか、を調べた。はじめにHIF-1alpha DNAの5' および 3' 側の非翻訳領域をルシフェラーゼ(レポーター遺伝子)の上下流に次のようにさまざまなパターンのconstructを作成した(HIF5C3(Cはルシフェラーゼの翻訳領域), HIF5C, HIFC, HIFC3)。これらを種種の細胞に導入しレポーターの発現の強さを見た。導入した細胞株は子宮頸がん由来HeLa, 肺がん由来H1299, 低悪性度乳がん由来MCF7,高悪性度乳がん MDA-MB453, 非常に悪性度の高い脳神経こうU87MGである。それぞれの細胞でのレポーターの強度のパターンは似かよっていた。つまりHIF5C3と比べHIF5Cがもっとも強くHIFC3がもっとも弱い、ということである。別の言い方をするとHIF-1alphaの5'非翻訳領域はmRNAからのHIF-1alpha蛋白への翻訳の効率を上げ、一方3'領域は翻訳の効率を下げるということである。つぎに5'領域のどれだけの長さのヌクレオチドがこの現象に関与しているかを長いほうから順にconstructを作成しルシフェレースアッセイを行ったところ下位151塩基対で十分なことが判明した。また5'の翻訳への調節蛋白としてpyrimidine tract-binding protein (PTBP-1)が関与していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
同じ遺伝子の中で、相反する機能を持ったUTRが存在することはこれまで報告されていない。
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Strategy for Future Research Activity |
5'領域にはPTBP-1以外にも翻訳調節を担った蛋白が存在するはずであり、その蛋白を同定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度早期に予定していた実験に使用するため HIF-1alphaの5'UTR結合蛋白の同定
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Research Products
(2 results)