2014 Fiscal Year Annual Research Report
陽子線のDNA損傷メカニズムと腫瘍免疫賦活効果を応用した新たながん治療法の研究
Project/Area Number |
24390287
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坪井 康次 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90188615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榮 武二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60162278)
熊田 博明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30354913)
鈴木 健之 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20726442)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / 陽子線治療 / DNA損傷 / 化学療法 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)放射線・免疫融合療法:マウスの大腿皮下に移植した腫瘍にX線照射した後、頭蓋内へ同じ腫瘍細胞を再移植すると、照射後も皮下腫瘍が増大した個体では全例で脳内に腫瘍が形成されたが、皮下腫瘍が治癒した個体では全例で脳内に腫瘍は形成されなかった。脳内の腫瘍を拒絶した個体ではINF-gammaが産生され、腫瘍移植部位にCD8陽性のCTLが浸潤していた。以上から、脳内の腫瘍の拒絶は、腫瘍特異的細胞性免疫の賦活による「アブスコパル効果」によるものと考えられた。
2)陽子線と炭素線のDNA損傷の分子イメージングによる解析:免疫染色による分子イメージングによってDNA損傷の複雑性と局在性について検討した。照射後30分では、炭素線照射は陽子線より有意に複雑なDNA損傷を形成したが、時間経過とともに減少し、24時間後には線源によるDNA損傷に差は見られなくなった。何れの線源においても、時間経過とともに核内に巨大な53BP1 foci(V > 2.1μm3)が形成され増加した。この巨大な53BP1 fociは、heterochromatinのマーカーであるH3K9me3のfociとは共存していないことから、euchromatin 領域に存在することが示唆された。
3)陽子線と炭素線のDNA損傷修復メカニズム:陽子線、炭素線照射後のCHO細胞の生存率は、主たるDNA修復径路である非相同末端結合(NHEJ)又は相同組換え(HR)に依存しており、特に、DNA-PKcsが欠損したCHO細胞はこれらの粒子線に対して最も高い感受性を示した。また、正常細胞とHR欠損細胞は炭素線に高い感受性を示したが、NHEJ欠損細胞では感受性は高くならなかった。以上から、陽子線と炭素線により生じるDNA損傷は主としてNHEJにより修復されるが、炭素線照射によるDNA損傷修復にはHRがより寄与していることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] The Major DNA Repair Pathway after Both Proton and Carbon-Ion Radiation is NHEJ, but the HR Pathway is More Relevant in Carbon Ions.2015
Author(s)
Gerelchuluun A, Manabe E, Ishikawa T, Sun L, Itoh K, Sakae T, Suzuki K, Hirayama R, Asaithamby A, Chen DJ, Tsuboi K.
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Journal Title
Radiat Res.
Volume: 183
Pages: 345-356
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] RBE and OER within the spread-out Bragg peak for proton beam therapy: in vitro study at the Proton Medical Research Center at the University of Tsukuba.2014
Author(s)
Kanemoto A, Hirayama R, Moritake T, Furusawa Y, Sun L, Sakae T, Kuno A, Terunuma T, Yasuoka K, Mori Y, Tsuboi K, Sakurai H.
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Journal Title
J Radiat Res.
Volume: 55
Pages: 1028-1032
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 粒子線によるDNA二本鎖切断と修復機構2014
Author(s)
真鍋絵梨, Ariungerel Gerelchuluun, 石川隆昭, 鈴木健之, Aroumougame Asaithamby, David J Chen , 坪井康次
Organizer
日本放射線影響学会 第57回大会
Place of Presentation
かごしま県民交流センター(鹿児島)
Year and Date
2014-10-01 – 2014-10-03
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