2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモダリティ分子イメージングを目的とする自己組織化ナノデバイスの開発
Project/Area Number |
24390294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
向 高弘 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (30284706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 均 長崎大学, 大学病院, 教授 (00170689)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薬学 / 放射線 / イメージング / ナノバイオ |
Research Abstract |
本研究では、ポリアミドアミンデンドリマー(G4)をコアとして選択し、そこにシグナル放出金属を導入するためのキレート剤(DTPA)を導入後、PEI、γ-PGAと自己組織化させることで、分子イメージング用ナノ粒子であるG4-DTPA/PEI/γ-PGAを開発することを計画した。そこで、^<111>Inを用いて放射性標識γ-PGA複合体(^<111>In-PGA体)を作製し、分子イメージング用ナノ粒子としての有用性を検討した。標的組織には、数十nmの粒子径を有する粒子型プローブの利用が適するセンチネルリンパ節(SLN)を選択した。 G4-DTPA/PEI/γ-PGAを作製し、粒子径とゼータ電位を測定した結果、それぞれ24.8nm、-48.9mVであった。比較対照として、カチオン性粒子である111In標識G4lDTPA/PEI(^<111>In-PEI体)および別のアニオン性高分子であるアルギン酸(ALG)を含む^<111>In標識G4-DTPA/PEI/ALG(^<111>In-ALG体)も併せて構築した。まずin vitro評価として、マウスマクロファージ様細胞であるRAW264を用いた細胞取込み実験を行った結果、^<111>In-PGA体の細胞への集積は、^<111>In-PEI体と同程度であり、^<111>In-ALG体と比べると有意に高いものであった。また、各粒子の細胞毒性、血液毒性を評価したところ、カチオン性粒子であるPEI体は強い細胞障害性、赤血球凝集を示した一方で、PGA体、ALG体はこれらを認めず、高い生体安全性が示唆された。次いでin vivo評価として、各^<111>In標識複合体をラットのFoot Padより投与し、体内放射能分布を経時的に調べた結果、投与24時間後における^<111>In-PGA体の膝窩リンパ節への集積は、他の複合体と比べて有意に高かった。さらに、SPECT撮像において、^<111>In-PGA体は明瞭にラット膝窩リンパ節を描出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリアミドアミンデンドリマー(G4)にキレート剤、DTPAを導入したG4-DTPAとPEIとγ-PGAと自己組織化させることで、分子イメージング用ナノ粒子であるG4-DTPA/PEI/γ-PGAを開発することを計画した。本年度は^<111>In標識G4-DTPA/PEI/γ-PGAを作製し、本ナノ粒子が細胞障害性を示すことなく、高い細胞集積積性を示すことを明らかとした。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に作製した自己組織化ナノ粒子について、マルチモダリティ分子イメージングプローブとしての有用性を精査するとともに、新たな機能を付与すべく、化学修飾、製剤修飾について検討する。また、病態モデルにおいて体内動態を検討し、病態機能診断への応用性について評価する。
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