Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00301268)
宮田 博志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80362713)
黒川 幸典 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10470197)
宮崎 安弘 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00571390)
高田 晃宏 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60597483)
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Research Abstract |
グレリンによる消化器癌支持療法確立を目的とし,下記臨床研究を行った. (1.)化学療法の副作用軽減を目的とした研究は順調に進捗し,本年度において全症例の集積およびデータ解析が終了した.グレリン投与群は非投与群と比較し,化学療法中における食欲低下および食事摂取量低下が有意に抑制された.結果,化学療法終了時における栄養学的指標(プレアルブミン,トランスフェリン)は,グレリン投与群は非投与群より有意に高かった.また,化学療法による嘔気も抑制されることが確認された.化学療法時における新規支持療法としてのグレリン投与の有効性を証明した上で臨床的意義は非常に大きく,以上の臨床試験結果をまとめ,論文報告を行った(Hiura Y,et al.Cancer,2012). (2.)グレリンの抗炎症作用評価を目的とした研究では,食道癌手術後早期(術後1日目~術後5日目)にグレリン投与を行う第1相臨床試験を開始した.症例の集積は概ね良好であり,全20症例の登録が終了した.本臨床試験において,グレリン投与によるバイタルサインの変化やそのほかの有害事象など認めず,術後早期においてもグレリンが安全に投与可能であることが確認された.今後,抗炎症効果作用の評価(IL-6,TGF-βなどの炎症性サイトカインの測定,術後SIRS期間の算出など)を含めたデータ解析を行い,学会・論文報告を行う予定である (3-1.,3-2.)グレリン低下に起因する上部消化管術後の体重減少,食欲低下に対するグレリン投与研究については,術後1年以上経過した患者においてもグレリン投与が有効であることを証明することを目的とし,胃切除後,食道切除後,それぞれ臨床試験を開始した.胃切除後については概ね順調に進捗し,予定通り10例の集積を終え,現在データを解析中である.食道切除については5例の登録を終了し,グレリン投与に伴う有害事象を認めていない.
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