2012 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋内主幹動脈閉塞性疾患における分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
24390343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 享 京都大学, 医学研究科, 教授 (70239440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 康志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40312227)
高橋 淳 京都大学, 医学研究科, 講師 (90551408)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / もやもや病 / 遺伝子 |
Research Abstract |
脳血管疾患は厚生労働省の人口動態統計における国民年間死亡原因の第3位を長年占めている。しかも、厚生労働省の介護給付費実態調査によると要介護の原因となった疾患の内約3割が脳血管疾患であり、特に男性においてはその割合は4割以上と報告されている。脳血管疾患の半分以上を占める脳梗塞の主な原因の一つにアテローム血栓性脳梗塞があり、頭蓋内血管の狭窄も重要な一因である。しかし、頸動脈疾患や冠血管の動脈硬化による狭窄と比較して、その分子メカニズムに不明な点が多い、そこで今回の研究ではターゲットを頭蓋内主幹動脈とし、狭窄のメカニズムを明らかとし、予防法を開発する。 一方、アジア特有の血管疾患としてウイリス動脈輪閉塞症(もやもや病)があり、頭蓋内内頸動脈終末部の狭窄を特徴としている。当疾患の一割から二割は家族性に発生することが知られており、最近その遺伝子解析の結果が明らかとなり、研究も推移している。今回の研究では頭蓋内主幹動脈狭窄を通常の動脈硬化性病変ともやもや病の二つの疾患からアプローチする。京都大学脳神経外科ではこれまでにもやもや病の手術サンプルの免疫組織学的検討により、病変の内膜肥厚と中膜の薄泊化とそのメカニズムにcaspase-3とhypoxia inducing factor-lalfaが関与することを示した。また、共同研究者の小泉は家族性もやもや病患者の遺伝子解析の結果より遺伝子 RNF213のp.R4810K多型がもやもや病の感受性を高めることを証明した。もやもや病は、一卵性双生児においても形質が一致しないことがあり、感受性者が人口の2-3%程度い るにもかかわらず頻度はその300-1000分の1であることなど、浸透率が低い現象を見出してきた。本年度は京都大学iPS細胞研究センターのもやもや病患者由来iPS細胞が三系統樹立された。樹立したiPS細胞を用いて、平滑筋細胞および内皮細胞への分化を誘導され、管腔形成能が一部障害されていることが見いだされた。また、もやもや病患者および動脈硬化性病変患者の中大脳動脈、髄液、硬膜などの生体試料を採取し保存しているが、現在までに95サンプルの保存が行われ解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在順調に研究は進行している。3名の患者組織より3系統のips細胞が樹立され、内皮細胞に分化することが確認できた。されには試験管内血管形成モデルを使って管腔形成能があることが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究計画通りに研究を進行させていく予定である。ips細胞から分化させた内皮細胞の機能解析を行う。分化能や増殖能の差異を検討する。さらには今までに成功していない血管平滑筋細胞への分化実験もすすめる。Mysterin knockout miceについても機能解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画通りに予算執行を行う予定である。申請通り、主に動物代や試薬費などの消耗品での使用を考えている。大きな備品などの購入の予定はない。
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Research Products
(3 results)