2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 貴司 東京大学, 医学部附属病院, 届出診療医 (00506248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 寧 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50570016)
乾 洋 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60583119)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 関節軟骨 / Fgf18 / Timp1 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
平成24,25年度の研究成果の概要だが、まず、関節軟骨の遺伝子発現プロファイルの解析を行った。発生途上および成熟段階のラットの関節軟骨および成長板軟骨を採取、RNAを抽出し、マイクロアレイによる網羅的発現解析を行った。これにより、関節軟骨で成長版軟骨に比して高発現している遺伝子を多数同定した。これらの遺伝子については、real-time RT-PCRを行い、発現パターンを確認した。 上記解析によって、発生途上および成熟段階の双方で、関節軟骨で成長板でよりも発現上昇している遺伝子として、Fgf18を同定した。免疫染色により、Fgf18がタンパクレベルでも、関節軟骨でより強く発現することを確認した。 Fgf18の軟骨における機能としては、以前までにanabolismを亢進し軟骨再生を促進する作用が知られていた。今回我々はマウス大腿骨頭の器官培養を用いた検討により、ヒトリコンビナントFGF18(rhFGF18)投与によって、関節軟骨のcatabolismが抑制されることを新たに見出した。そして、器官培養および軟骨細胞培養を用いた実験により、rhFGF18投与によりTimp1の発現がmRNA,タンパク双方のレベルで発現亢進する事を発見し、さらに、Timp1に対する中和抗体によりFgf18のcatabolism抑制作用が抑えられることを見出した。以上の研究により、Fgf18は関節軟骨で高発現し、Timp1を介して関節軟骨のcatabolismを抑制する事で、関節軟骨の維持に寄与していることを見出した(J Biol Chem 289:10192-200,2014)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fgf18による関節軟骨維持作用の発見に至ることができ、本研究の目的である関節軟骨の維持作用の解明にむけて、一歩前進する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
Fgf18以外にも関節軟骨の成熟・維持に作用している因子は多数存在すると考えられる。マイクロアレイで同定された他の遺伝子についても機能解析を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度までの計画がおおむね順調に進んだため次年度に繰り越すことでも研究に支障がなかった。 マイクロアレイで同定された他の遺伝子について機能解析を進めていくために必要となる試薬、機器の購入。
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Research Products
(5 results)