2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨恒常性維持におけるRANKL逆シグナルの役割の解析
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24390349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 雅 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 生理活性 / 薬理学 / 老化 |
Research Abstract |
申請者らがこれまで、RANKLの骨芽細胞内挙動制御に着目した分子論的研究を進めてきた結果、骨芽細胞表面に少量発現しているRANKL分子は、RANK結合刺激を受容して骨芽細胞内にもシグナルを発生する、双方向シグナル分子であることが見出されていたが、このシグナル伝達経路の詳細な分子メカニズムと、その生理的な役割に関しては明らかにされていなかった。本申請研究ではこのRANKL逆シグナル伝達経路の生理的役割を解明することを目標として検討を行っている。 初年度である平成24年度は、骨芽細胞に対するRANKL逆シグナルの入力に関与する分子の探索を実施し、生体内においてRANKL逆シグナル経路に対するシグナル入力分子として機能する分子の同定に成功した(現在、この点を含め特許出願中であるため具体名は開示できない)。また、細胞内においてシグナル伝達に関与する下流シグナル分子に関する検討も進め、従来示唆されていたRas/MAPK経路だけでなく、PI3K/Akt経路の活性化がむしろ中心的な役割を果たしていると考えられること、およびこれらシグナル伝達経路の下流においてRUNX2の核内移行が刺激され、骨芽細胞の活性上昇に繋がっていると考えられることなどを見出した。現在、一連の内容に関しては論文投稿準備を進めている。 平成25年度以降はRANKL細胞内ドメインに点変異を導入し、RANKL逆シグナルの受容能力が欠失したマウスを用いたin vivoの解析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って、Ras/MAPK経路以外のシグナル伝達経路の関与に関する検討を進めた結果、PI3K/Akt経路が、骨芽細胞活性化に大きく関与していることが見出された。さらに、計画当初では想定していなかったが、シグナル入力分子に関しても付加的に探索を行った結果、生理的なシグナル入力分子の同定に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
この点は当初の期待を上回る重要な発見となった、と考えている。 RANKL細胞内ドメインに点変異を導入したマウスに関して、そのin vivo表現型の解析を中心として検討を実施していく予定である。特に骨代謝カップリング機構に関する解析を当初の計画に付加して行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に、当初想定していなかったシグナル入力分子の同定という大きな発見があったため、RANKL変異導入マウスに関する表現型解析の検討を付加して行った方が研究全体の大きな進展が見込めると考えられたため、一部基金分を平成25年度に繰り越し、併せて解析に使用する必要性が高いと考えられた。
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Research Products
(2 results)