2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 守雄 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (40209656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 航太 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (60317170)
細金 直文 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10365306)
高橋 洋平 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00445305)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 思春期特発性側弯症 / 遺伝子 / 進行予測モデル |
Research Abstract |
本研究は思春期特発性側弯症患者からDNAサンプルを収集し、全ゲノム相関解析(genome wide association study,GWAS)を行い、側弯重症例と軽症例を比較することで、重症化に関与する遺伝子を同定することを目的に行った。 まず、重症例880例、軽症例492例のサンプルを用いて,これまでに中国や米国で行われた先行研究で報告されている側弯重症化に関係するとされるSNP(rs11063714in NrF3,rs3808351,rs10269151 and rs4266553 in GPER,and rs8179090 in TIMP2など)のreplication studyを行い、これらのSNPが日本人では再現されないことを明らかにした(Ogura et al,Spine in press)。この一因として人種差や先行研究のpower不足が関与しているものと考えられた。またわれわれが同定した側弯症発生に関与するSNP RS11190870が重症化には関与していないことも明らかにした(高橋ら、第27回日本整形外科基礎学術集会で発表)。以上のことから、重症化に関与する遺伝子を同定するために、日本人で独自に大規模なGWASを行う必要性が明らかとなった。 本年までに約2400名の思春期特発性側弯症患者のDNAサンプルを血液あるいは唾液から収集した。また全例X線を撮像した。このX線所見を基に、患者を重症群一軽症群に分類し、約55万のSNPマーカーで構成される全ゲノムのタイピングを行った。現在、統計学的解析を行っているところであり、近々にその結果が明らかになる予定である。その後、GWASレベルで有意となったSNPに対してreplication studyを行い、側弯重症化に関与する遺伝子を同定して、最終的には臨床情報も含めた側弯症進行予測モデルの確立を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は先行研究のreplication studyが収集し、さらにDNAサンプル収集も予定通りの数量を達成し、ゲノムタイピングまで終了しており、研究1年次の計画としては予定通りか、それ以上である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はタイピングされたSNPの統計解析を行い、X線所見と対応させて、重症化に関係するSNPを同定する。 側弯に関連する臨床情報を側弯検診患者を対象に収集する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該助成金が生じた状況として当初予定されていた価格よりDNAチップが廉価になったことが最大の要因である。本年度はさらにサンプル収集を継続して、GWASで得られた結果のreplication studyに直接経費を投入する計画である。
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