2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 健史 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (70383768)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Blimpl / 破骨細胞 / 分化 / 骨 |
Research Abstract |
骨量は骨を吸収する破骨細胞と骨を形成する骨芽細胞の絶妙なバランスの上に規定されており、破骨細胞の活性や分化が骨芽細胞に対して相対的に優位な場合は骨量減少へ、逆の場合は骨量増加に傾く。破骨細胞は骨を吸収する生体唯一の細胞であることから、その制御は骨量に直結する。申請者はB lymphocyte induced maturationp rotein1(Blimp1)が破骨細胞分化および骨の恒常性制御に必須の機能を有すること、破骨細胞特異的なBlimp1欠損マウスは破骨細胞の分化障害と著明な骨量増加を来すことを見出した(J Exp Med 2010)。しかしBlimp1の全身欠損マウスは胎生期に致死となることから、アダルトにおいてもBlimp1が骨量増加のための標的になり得るのか、アダルトで全身的にBlimp1を抑制することで重篤な障害が発生しないか、ということについては不明のままであった。そこで申請者はアダルトでBlimp1を全身的に抑制した場合の効果を検証するため、後天的に誘導的にCreを発現するMx CreマウスとBlimp1-floxマウスを交配することでMx Cre/Blimp1 flox/floxマウス(Blimpl cKO)を樹立し、アダルトでのBlimp1の機能を解析した。アダルトでBlimp1を全身的に欠損させるとin vivoおよびin vitroともに破骨細胞分化を著明に抑制することができ、またin vivoにおいて顕著な骨量増加を呈することを見出した。Blimp1はB細胞の分化や成熟に必須の機能を有することが報告されているが、アダルトでBlimp1を欠損させることでは、B細胞分化に大きな障害を来さなかった。以上の結果をまとめて、J Biol Chem誌に報告した(2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Blimp1をアダルトで欠損させることで、顕著な破骨細胞分化抑制と著明な骨量増加を認め、一方で致死などの重篤な副作用やB細胞分化不全は来さないことを見出した点、これらの知見を論文にまとめすでに市場報告した点で当初の計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞側の制御機構はある程度のめどがついたので、その詰めの実験を行うとともに、今後は骨芽細胞側の制御機構の解明を進める。
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Research Products
(17 results)