2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川真田 樹人 信州大学, 医学部, 教授 (90315523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川股 知之 信州大学, 医学部, 准教授 (80336388)
田中 聡 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (60293510)
石田 高志 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (60531952)
杉山 由紀 信州大学, 医学部, 助教 (10468100)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遷延性術後痛 / 脊髄 / 急性痛 / 慢性痛 |
Research Abstract |
8週齢のSprague Dawleyラットを用いて、右肋間神経損傷、およびラット腹膜縫合部にメッシュを留置縫合などにより、新しい遷延性術後痛(Persistent postoperative pain : PPOP)モデルの開発に取り組んだ。モデル作成後、自発痛および痛覚過敏の行動変化、体重変化を手術前、術後1-30日間記録した。自発痛としては、自動運動距離の測定、および創部の舐め行動など、痛み関連行動の時間を測定した。そして、痛覚過敏およびアロディニアの測定には、熱性刺激、機械刺激(von Feryフィラメント)を用いて計測した。 痛覚過敏は14日まで観察されたが、自発痛関連行動は7日以後は著明には観察されず、PPOPのモデルとしてはまだ不十分と考えられた。そこで、当初予定していた4-14日目に、μアゴニスト、NMDA受容体拮抗薬、gabapentin、pregabalin、などを全身投与、あるいはPE-10カテーテルを通してくも膜下投与による行動薬理学的な検討を行っていない。代わりに脊髄後角ニューロン(V層)からの細胞外記録を行い、これらのモデル動物による脊髄疼痛受容ニューロンの機能特性を計測し、モデルの完成度を検討した。 行動学的検討と電気生理学的検討により、新たなPPOPモデルの完成には至っておらず、他の傷害モデルを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PPOPは適切な動物モデルが存在せず、本研究で新たなPPOPモデル動物の開発を目指しているため、研究の困難が予想される。通常の足底切開モデル(ラット)では、自発痛は12時間程度しか持続せず、痛覚過敏は3-4日で消失する。これに対し、新たに開発中のモデル(肋間神経傷害、腹膜メッシュ留置)では、2週間の痛覚過敏は持続するため、モデルとしては有用と考えられるが、より長期の痛み持続モデルを模索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
他施設で昨年開発された他のPPOPモデルの作製法も習得する。モデルの確定ができれば、当講座でこれまで行ってきた電気生理学的手法-in vivo patch-clampおよび細胞外記録や、免疫染色、タンパク定量により、PPOPのメカニズムに対する研究を発展する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は当初計画よりも試薬他の消耗費が少なく済み、次年度使用額が生じた。平成25年度は、当初、研究〓計画になかった他施設で昨年開発された新たなPPOPモデルの作製法の習得と、その評価系の確立のため、当初予算以上の研究費が必要となるため、次年度使用額と合わせて研究を遂行する予定である。
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Research Products
(5 results)