2012 Fiscal Year Annual Research Report
鼻性NK/T細胞リンパ腫に対するEBウイルス・腫瘍増殖分子標的治療の基盤的研究
Project/Area Number |
24390385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
原渕 保明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80208686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 幹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50322904)
岸部 幹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80447101)
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90280867)
駒林 優樹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40548864)
熊井 琢美 旭川医科大学, 医学部, 助教 (00596306)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 頭頸部外科学 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
1.鼻性NK/T細胞リンパ腫の分子腫瘍学的解析としてcDNAアレイ解析を行い、本腫瘍細胞株において高発現している分子としてCD70を同定した。免疫染色を行い、同分子が、本疾患患者検体においても高発現していることが示され、CD70のリガンドであるCD27刺激実験により本疾患細胞株の細胞増殖能が亢進することを見いだした。 さらに本疾患細胞株で抗CD70抗体、活性化補体存在下での細胞増殖能を検討し、抗CD70抗体による補体依存性細胞障害活性が認められることを明らかにした。 2.これまでに細胞表面接着因子であるICAM1が本疾患細胞株上に発現しており、患者血清において可溶性ICAM1が存在することを報告してきた。ICAM1の本疾患における機能解析を行い、ELISAにて本疾患細胞株が可溶性ICAM1を分泌していることを認めた。また、抗ICAM1抗体および抗LEA1(ICAM1のリガンド)抗体存在下での細胞増殖能の検討により両抗体存在下において細胞増殖能が抑制されることを認めた。以上より本疾患細胞においてICAM1はLFA1との結合を介してオートクライン的に細胞増殖を亢進させている可能性が示唆された。 さらに患者血清において治療後に可溶性ICAM1が有意に低下していることを示した。 3.本疾患細胞株を用いたmicroRNAアレイを行い、本疾患細胞株において発現低下しているmicroRNAとしてmiR-15aを見出した。miR-15aの本疾患における機能解析のため、miR-15aを本疾患細胞株に遺伝子導入した。コントロール導入株と比較し、miR-15a導入株でmiR-15aの標的遺伝子である、MYBおよびサイクリンD1タンパクの発現低下を認め、細胞周期の進行抑制、細胞増殖能の低下を認めた。さらに患者検体を用いたPCR解析でもmiR-15aは発現低下を認め、予後解析ではmiR-15a低発現群は有意に予後が悪い結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における昨年度の目標は、ほぼ達成されていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行った研究の継続と平成25年度の研究計画に沿って研究を進行していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の経費通りに使用予定。また次年度繰越金については、遺伝子導入関連試薬、合成核酸および抗体等の試薬購入に使用する。
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Research Products
(12 results)