2014 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍体積と導入化学療法に基づく下咽頭癌の個別化治療 -その予後因子の網羅的検索-
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24390387
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
猪原 秀典 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00273657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 剛 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90163948)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 下咽頭癌 / metabolic tumor volume / GLUT1 / MCT4 |
Outline of Annual Research Achievements |
切除可能な局所進行下咽頭癌に対し喉頭温存を目指して化学放射線療法を施行した場合、原発巣のmetabolic tumor volume (MTV)が喉頭温存生存率・粗生存率と相関する独立した予後因子であり、その有用性はT分類を有意に凌ぐことを明らかにした。 次にNOD/SCIDマウス皮下移植モデルを用い、F0/F1間で発現量が変化する分子をプロテオーム解析により同定し、glucose transporter 1 (GLUT1)に着目してin vitro実験から以下の知見を得た。①GLUT1をノックダウンすると、グルコースの取込みが低下し増殖能も低下する。②低酸素下ではGLUT1の発現が増強し、グルコースの取込みも増殖能も増大する。③放射線照射により増殖能が低下するが、GLUT1の発現を阻害するとより強い低下を認める。この現象は低酸素下でより顕著に認め、増殖能の低下はアポトーシスを伴う。 しかし、GLUT1は脳組織などで強発現しており、その標的治療は重篤な合併症を生じる懸念がある。そこで、癌組織では好気性・嫌気性条件下にかかわらず解糖系が亢進している(Warburg効果)ことから、解糖系におけるグルコースの最終代謝産物である乳酸を細胞外に排出するmonocarboxylate transporter 4 (MCT4)に着目し、以下の知見を得た。①低酸素下では正常酸素下と比べMCT4の発現が増大する。②MCT4をノックダウンすると、乳酸の細胞外への排出が低下する。③MCT4をノックダウンすると、正常酸素下では有意な増殖能の低下を認めないが、低酸素下では著しい低下を認める。この現象は放射線照射を併用するとより顕著に認められ、増殖能の低下はアポトーシスを伴う。 これら一連の知見は、解糖系を標的とすることで治療抵抗性の下咽頭癌を制御し得ることを示唆している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)