2012 Fiscal Year Annual Research Report
培養ヒト角膜内皮・実質細胞と再生角膜実質を用いた角膜再生医療実用化技術の確立
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24390394
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天野 史郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80193027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 智彦 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80282557)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 角膜内皮 / 角膜実質 / 再生医療 |
Research Abstract |
角膜実質再生に使用する素材およびその加工法を検討した。素材として無細胞化ヒトおよびブタ角膜実質、アテロコラーゲン、多孔性ゼラチンを検討した。 100%N2のチューブ内に角膜実質を冷凍保存する事で角膜実質を脱細胞化した角膜実質をフェムトセカンドレーザーで加工する方法を検討した。無細胞化ヒトおよびブタ角膜実質を人工前房装置にセットし、中央の直径8mmの範囲を様々な条件でフェムトセカンドレーザーを用いて切開し、切開後の角膜を組織学的に検討した。レーザー照射条件としては表面から10-100μmの切開を行い、切開された角膜を取り除いて同じ深さの切開を繰り返していき、数枚の角膜片を作成する方法と、一度に10-100μmの厚さで数枚の角膜片を作成する方法を行った。得られた角膜片の厚さや表面の平滑性などを組織学的に評価した結果、フェムトセカンドレーザー照射条件としては表面から100,300,500μmの切開において表面の平滑性さに差がない事がわかった。ただ一度に複数の平面での切開を行うと平滑さが低下する事がわかった。 10、50,100μmの厚さのアテロコラーゲンと多孔性ゼラチンを家兎角膜実質に移植し生体適合性を検討した。移植法としては、家兎の角膜中央部に直径3mmまたは6mmの角膜上皮+実質の切除を行い切除部の周辺に向かって移植実質をはめ込むための実質層間切除を行っておく。直径が4mmもしくは7mmで厚さが10、50,100μmのアテロコラーゲンと多孔性ゼラチンを家兎角膜実質ポケットにはめ込み、術後6カ月にわたって、前眼部観察、組織学的観察を行った所、10,500μmで、良好な透明性、上皮被覆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
角膜実質候補である無細胞化ヒトおよびブタ角膜実質、アテロコラーゲン、多孔性ゼラチンについての最適な切除法や生体適合性の検討が予定通り終了し、来年度以降の、角膜内皮および実質細胞それぞれについて、組織前駆細胞と通常の培養細胞との有用性の比較を予定通り開始できるので。
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Strategy for Future Research Activity |
角膜内皮および実質細胞それぞれについて、組織前駆細胞と通常の培養細胞との有用性を比較する。培養角膜内皮および実質細胞と再生角膜実質の最適な組み合わせを用いて再構築した角膜移植片(実質+内皮)を動物角膜にDSAEKの手法で移植し、術後1年間にわたって経過観察を行う。
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Research Products
(6 results)