2013 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル(Ni)アレルギー発症に関与するNi結合キャリア分子の同定とその機能
Project/Area Number |
24390407
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 俊二 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10241639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 康男 東北大学, 歯学研究科(研究院), 技術補佐員 (50005039)
黒石 智誠 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30400261)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属アレルギー / ニッケル / キャリア分子 |
Research Abstract |
平成25年度は以下のような実績を得た。 1.昨年度、LPSを投与したマウス血清より、Niアレルギーを誘導する活性分子(Niキャリア分子)を精製、同定した。この最終精製画分には、Niキャリア分子以外に、2種類のタンパク質が共精製された。そこで、質量分析法によりこの2種類のタンパク質を同定した。平成26年度は、Niキャリア分子とこれら2種類の共存タンパク質の相互作用、並びに、金属アレルギー誘導における役割について詳細に解析していく予定である。 2.昨年度同定したNiキャリア分子にNiを含む金属イオン結合能は報告されておらず、既知の金属イオン結合配列も存在しなかった。そこで、遺伝子組換えタンパク質をサンプルとして、Ni結合セファロースを用いたバッチ法およびビアコア(SPR法)を用いた相互作用解析により、Niイオンとの結合能を解析した。その結果、いずれの方法においてもNiキャリア分子とNiイオンの直接結合が検出された。これらの結果は、アミノ酸配列および立体構造を含めて既知であるNiキャリア分子の新たな生理活性を示すものであり、タンパク質とNi(金属)イオンの新たな相互作用様式が示唆された。 3.昨年度までに、Niキャリア分子は、単独ではアレルギー反応を誘導しない低濃度Niによるチャレンジを増強し、有意な耳介の腫脹を誘導することを報告した。そこで、低濃度Ni+Niキャリア分子によって誘導されたアレルギー反応と、高濃度Ni単独により誘導されたアレルギー反応について、病理組織学的手法およびフローサイトメトリー法により比較検討した。その結果、2群間に有意な差は認められなかった。このことから、Niキャリア分子はアレルギー反応誘導に必要な抗原(Ni)量の閾値を低下させるが、アレルギー反応の質的変化を誘導しないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、平成24年度に同定したNi結合キャリア分子の機能解析をほぼ計画どおりに遂行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進展している。今後は、今年度までの研究結果から生じた重要課題を解明していくとともに、「研究計画調書」に記載した「アレルギーの予防・治療法の考案」を含めて推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は4,428円と試薬一品相当の金額であり、助成金はほぼ計画通り使用していると考える。 次年度の研究を遂行するためには多くの消耗品が必要であり、当該助成金はこれに使用する計画である。
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