2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト多能性幹細胞から顎骨・歯への分化誘導カスケードの解明
Project/Area Number |
24390411
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
古江 美保 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 研究リーダー (80257310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 三佳 (岸本 三佳) 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 研究員 (00340448)
柳原 佳奈 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 研究員 (10571333)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 神経堤 / ヒト多能性幹細胞 / ヒト胚性幹細胞 / 無血清培養 / 頭部神経堤 / 発生 |
Research Abstract |
ヒト神経堤由来組織の発生・分化機構を明らかにすることを目標として、ヒトES/iPS細胞などの多能性幹細胞から外胚葉、前方神経上皮、頭部神経堤、顎骨弓領域間葉、顎骨へとstep by stepに分化誘導を行い、顎・歯への発生・分化を制御するシグナル分子の同定を行って分化誘導カスケードを解明することを目標としている。神経堤誘導を確実に行うためには、まず、発生過程において前段階である神経幹細胞へ高効率に分化誘導を行わなければならない。一般的にヒトES/iPS細胞からの分化誘導は、胚様体と言われる胚の発生を模倣させる細胞凝集塊を作成するが、確実に分化誘導できるがin vivoと同様に内部の解析は困難である。未分化なヒトES/iPS細胞から分化する過程ではダイナミックに形態を変化させて観察するため、H24年度に作成したより高効率な神経幹細胞誘導条件を用いて分化誘導を行い、頭部の位置情報遺伝子ならびにタンパク質の発現を調べたところ、一時期発現したもののすぐにその発現が低下した。 これまでにも神経堤分化誘導法の開発は報告されていたが、Menendetzらは、二次元無血清培地にてヒトES細胞から神経堤分化誘導法を発表した。そこで同方法を用いてヒトES細胞から神経堤誘導し、頭部の位置情報遺伝子をPCRアレイにより網羅的に調べた結果、頭部よりもむしろ体幹部の位置情報遺伝子の発現が認められた。Wntは前後軸形成に関与すると報告されているため、ヒトES/iPS細胞から神経堤へ分化誘導する過程でWntを添加し、前後軸が誘導されるかどうか、検討した。しかし、Wntを添加することにより後方の位置情報遺伝子が発現した。そこで、H26年度は種々の増殖因子の添加を行って、位置情報の制御に及ぼす影響を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頭部領域の位置情報を持つ神経堤誘導を行うための予備実験が長引き、神経堤細胞からの分化能を確認する研究項目が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
前方神経堤の安定した分化誘導条件の策定を行う。そのために、因子の添加時期、添加因子を網羅的に解析し、できるだけ早く条件の設定を行う。さらに、前方神経堤から骨や神経などの分化誘導を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に購入予定であった細胞等の納品が26年度に持ち越されたため、直接経費次年度使用額が生じた。 26年度では、細胞と併せて、スクリーニングに用いる増殖因子や化合物の購入を予定している。
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Research Products
(7 results)