2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24390412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中島 友紀 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00346959)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨代謝学 / 骨細胞 / ミネラリゼーション / 骨溶解 |
Research Abstract |
骨組織を構成する細胞の約90%を占める骨細胞は、骨という特殊な硬組織に埋め込まれ存在し、骨細胞それ自身が、骨溶解に関与しミネラル代謝を司っている可能性が、以前から提唱されている。 しかし、骨の中に存在する骨細胞の単離はこれまで困難とされており、その細胞特性はいまだ不明な点が多いのが現状である。本研究では、骨の恒常性と生体ミネラル代謝に対する生体の機能調整システムを解明するため、骨細胞に焦点をあてる。申請者が世界に先駆け確立した骨細胞単離培養系を活用し、骨細胞のゲノムワイドな遺伝子発現解析やタンパク質分画の網羅的機能解析、遺伝子改変マウス作成により、骨細胞による骨ミネラリゼーション制御因子の同定とその機能を解明し、骨の恒常性と生体ミネラル代謝を統合的に理解することを目標とする。 本年度は、申請者が樹立した骨細胞の単離培養系を活用し、高純度の骨細胞と骨芽細胞の網羅的なトランスクリプトーム解析を実施し、バイオインフォマティクスに基づくデータベースを構築に取り組んだ。また、骨芽細胞から骨細胞への分化実験系の予備トライヤルが完了した。骨芽細胞の骨細胞への分化系では、申請者が仮説を提唱したように骨ミネラリゼーションが亢進することが見出され、プロジェクト全体の方向性を考える上でも、極めて重要な知見が得られたと考えられる。さらに、この新規実験系の構築は、細胞数が大量に必要なプロテオーム解析を推進する上で、鍵となるものであり、次年度の研究推進を考える上で、大きな足掛かりになった。また、生体モデルの構築においても、破骨細胞の欠損した骨吸収不全モデルを遺伝子改変手技にて作成し、生体レベルで骨ミネラリゼーション解析のディバイスに成功したといえる。プロジェクトの達成目標に向け、確実な成果が本年度は得られたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクトの達成目標に、必要とされる遺伝子情報やマウスモデルなどディバイスが整いつつあるため、順調と言って良いと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度より、申請者自らが新たな研究室を主催することとなり、研究計画を推進する上でも、研究基盤となる機器整備が急務となっている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究室立ち伴うインフラ整備を中心に研究費を使用していく。特に顕微鏡など研究実施に不可欠な機器を整える必要がある。
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Research Products
(18 results)