2014 Fiscal Year Annual Research Report
炎症の慢性化誘導因子としてのクロモグラニンAーカテプシンBと制御基盤技術の創出
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24390416
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中西 博 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20155774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武 洲 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10420598)
林 良憲 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80582717)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カテプシンB / 慢性疼痛 / モルヒネ / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は炎症の慢性化ならびにそれに伴う慢性疼痛に抑制効果を示すカテプシンBならびにその他のカテプシン群の役割を確立し、慢性炎症が原因となる疾患に対する新たな先制医療を確立するための物質的基盤の提供を目指す。本年度は、(実験1)他のカテプシン群の慢性疼痛への関与ならびに(実験2)モルヒネ慢性投与により誘導される疼痛過敏ならびに機械的アロディニアにおけるカテプシンBの関与について解析した。(実験1)カテプシンH欠損マウスは自発的に疼痛過敏を示すことが明らかとなった。一方、カテプシンE欠損マウスは神経障害性疼痛に対して有意な抵抗性を示した。(実験2)モルヒネ慢性投与による疼痛過敏ならびに機械的アロディニアの形成に伴い、主に脊髄後角第I層からII層に局在するGABA性介在ニューロンにいてカテプシンBならびにオートファジー関連分子(Beclin1ならびにLC3-II)の発現亢進が認められた。カテプシンB欠損ならびにCA-074Meの髄腔内投与によりモルヒネ慢性投与による疼痛過敏ならびに機械的アロディニアは有意に抑制された。また、野性型マウスの急性スライス標本下における脊髄後角第I層ニューロンから記録されるmEPSCの電流頻度はモルヒネにより有意に増大したが、カテプシンB欠損マウスにおける mEPSCsはモルヒネによる有意な変化を示さなかった。これらの結果より、モルヒネ慢性投与に伴って主に脊髄後角の第I層からII層のGABA性介在ニューロンにおけるカテプシンB依存的なオートファジー亢進が生じ、シナプス前抑制機能の低下により興奮性シナプス機能が増大することでモルヒネ誘発性の疼痛過敏ならびに機械的アロディニアの形成に関与する可能性が示唆された。このことからカテプシンB阻害剤は広範な慢性疼痛に対して有効である可能性が示された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)