2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔領域炎症性疾患における小胞体ストレスの役割の解明
Project/Area Number |
24390418
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西頭 英起 宮崎大学, 医学部, 教授 (00332627)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 蛋白質 |
Research Abstract |
口腔内は常に創傷・温熱刺激・細菌・ウィルス感染・異物接触などの危険に曝されており、難治性の口腔粘膜炎症を引き起こすことが多い。このような口腔内の慢性炎症は、ときとして口腔前がん病変(白板症・紅板症・扁平苔癬)、さらには発がんの原因になることもあり、その病態メカニズムを明らかにすることは重要である。最近の研究により、様々な炎症性疾患に共通に認められる組織、細胞内現象として、小胞体ストレスが注目されている。そこで本研究では、in vitroおよびin vivo炎症モデル実験系を用いて、炎症病態に関わる主要な細胞の一つであるマクロファージの分化・活性化・アポトーシスの分子機構を、小胞体ストレスシグナルの観点かち解明し、炎症性疾患の克服に繋げることを目的とし以下の実験を行った。 <マクロファージの一生における小胞体ストレス誘導を検討> 小胞体膜上受容体IRE1は、小胞体内腔に蓄積した不良タンパク質を感知して活性化し、そのリボヌクレアーゼ活性により、Xbp-1mRNA内の26塩基をスプライスする。その結果、コードされるXbp-1アミノ酸のフレームが変わり、成熟型Xbp-1が翻訳され転写因子として、小胞体シャペロン分子などを発現誘導する。この原理を応用して、IRE1の活性化依存的にGFPタンパク質を発現させることで、小胞体ストレスを可視化することに成功した。このシステムを用いて、次の項目における小胞体ストレス誘導の有無を定量的に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、炎症性疾患の克服に向けて、小胞体ストレスの可視化を、特にマクロファージで可能にすることである。平成24年度の研究では、一実際に可視化に成功するとともに、同時に初代培養マクロファージの培養にも成功している。これらの技術開発は、当初の予定していたものに付け加えて行ったものであり、研究目標達成に向けて、計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
技術開発を行った小胞体ストレス応答の可視化プローブを、実際に細胞に導入し、安定的に計測を可能にする点が今後の課題である。そのために、レンチウィルス、レトロウィルス等を用いて実施していく予定である。
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Research Products
(12 results)