2012 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症における筋筋膜疼痛の発症機序を微弱筋活動の長時間計測から解明する
Project/Area Number |
24390433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 省吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80190693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 和広 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00346454)
兒玉 直紀 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70534519)
原 哲也 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60238160)
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プラキシズム / 筋電図 |
Research Abstract |
顎関節症に伴って認められる筋筋膜疼痛の発生原因については現時点ではまだ明らかになっていない。最近,日中の弱い持続性の咬みしめが,Tooth Contacting Habit (TCH)という概念として臨床で注目を浴びており,微弱かつ持続的な筋活動が筋痛の原因となり得るとする考えが現在有望視されつつある。しかし,ごく軽度の閉口筋活動を日常生活活動中に安定して計測することはこれまでの方法では非常に困難であり,ほとんど報告されていない。 我々は,これまでに新しい携帯型高精度筋電図記録システムを作製し,微弱な筋活動電位を計測する基礎的方法を最近になって可能とした。本研究はこのシステムを用いて,覚醒時ならびに睡眠中の微弱な筋活動を持続的に計測評価し,顎関節症に関連する筋症状の発現メカニズムを解明することを目的とした。 今年度は,高精度EMG計測システムについて携帯時の稼動条件を含めて検討を進め、システムとして完成させた。本システムは24時間を超えて安定して計測することが可能であり,計測時隅を通じて高いSN比を維持することを達成した。微弱な筋活動を定量化するための標準化方法として、従来行われている自発最大咬みしめに対する筋活動比率(%EMG)ではなく、基準化された咬合力を発揮させた際の筋活動量を基本として標準化する方法をキャリブレーション装置として確立した。また、微弱な筋活動の判定に際しての障害となる会話時表情筋の筋活動については、会話センサーを独自に開発し高精度筋電図との同時記録が可能な形として確立した。 本システムを用いて今年度、健常者30名の昼夜筋電図記録を採得した。この計測データについて,日中の記録については,上述の会話記録を同時期録として採得し,会話該当部分の筋活動を判定するとともに,上記のキャリブレーションレベルを指標として全記録中の微弱な咬筋EMG発現様相を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した筋電図計測システムを高品質で達成することができた。計測内容についても予想を上回る高品質のデータを採得することが可能であった。また、実際のデータ採得についても研究計画を超える人数のデータを採得することが可能であったため,質的にも量的にも当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
より信頼性の高いデータを得るために,継続して電極関連の検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末(3月)に旅費として予定していたが,体調不良のため実施できなかった旅費分のみが次年度使用額として計上された。次年度予算とあわせて研究遂行に適切かつ有用に使用する予定である。
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