2012 Fiscal Year Annual Research Report
災害時における車いす利用者の避難生活環境のユビキタスシステムの開発と評価
Project/Area Number |
24390478
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
西田 直子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80153881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (80259431)
辻村 裕次 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40311724)
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90236175)
鈴木 ひとみ 神戸常磐大学, 保健科学部, 講師 (60462008)
山本 容子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00321068)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 災害 / 車いす / 避難所 / 生活環境 / ユビキタスシステム |
Research Abstract |
【研究目的】車いす利用者が災害時などで避難所に避難する場合に,避難所への移動や避難所の生活環境におけるバリアの情報を携帯端末により参照できるユビキタスシステムを開発すること,および収集されたバリア情報の正確性や有用性を評価し,車いす利用者にとって安全で適切な避難所とするための資料を作成することである. 【研究方法】1年目は京都市中京区の避難所に依頼文と質問表を送り,避難所の理解、適正について事前調査を行った。一方、了解の得られた地域の避難所に出向き、施設が適切であるのか,脊髄損傷者,車いす利用者,看護系教員,福祉住環境コーディネータ,およびボランティアなどでグループを作り,身体負担など筋電図や主観調査などの実態調査を行った. 【研究結果】平成24年9月に行った避難所の適切性に関する事前調査では、配布数31施設、回収数29施設であった。施設の理解として、防災、避難所の設備については、「とてもできる・まあまあできる」が80%、93%と肯定的であった。しかし、車椅子利用者や高齢者に対する避難所の適切さについては、約30%であった。洋式トイレは93.1%、障害者用トイレは82.8%設置されていたが、洋式トイレの適切さ「とてもよい・まあまあよい」が77.8%、障害者用トイレの適切さ「とてもよい・まあまあよい」が75.8%であった。しかし、引き戸、移動の適切さは30~40%であった。障害者に対応する部屋の適切さは「まあまあ」5%であった。一方、身体負担など筋電図では、スロープの上りでは、左僧帽筋と左右上腕三頭筋に筋負担への影響が認められ、その傾斜角度によって影響する傾向がみられた。また、自力で上がれない場所、障害者用トイレといっても車椅子利用者が使用しづらいところもみられた。しかし数年前にできた施設では十分対応でき、適切な施設もみられた。現在、これらの事前調査と実態調査との関係を分析中である。今後継続して分析し,資料となるように整理していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前調査が終了し、実態調査も了解の得られた施設の調査は終了している。残された施設に再度依頼し、25年度に増やしていく。また実態調査後の身体負担について、スロープによる負担、路上の勾配による身体負担について分析できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に避難所の調査として残された施設に12カ所に再度依頼し、実態調査を行い人件費、旅費、消耗費などを使用する予定である。また、事前調査と実態調査との関係を分析し、学会などに発表し,資料となるように整理しサイトに上げられるように整理していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画より実態調査において承諾を得た避難所の施設が3分の2しか調査できず、研究実験補助員等の人件費や旅費の支出を抑えることが出来たため、次年度に繰り越すこととなった。そのため、平成24年度に避難所の調査として残された施設に12カ所に再度依頼し、実態調査を行い人件費、旅費、消耗費などを使用する予定である。
|